第2話

突然の出来事
605
2023/03/08 04:04
今日の体育は男女合同でバスケの授業。
男女分かれて試合をしていて、今は男子が試合中。

女子はコートの外で試合を見てる。
女子生徒
頑張れー!!
シュッ









______スパンッ
女子生徒
きゃ〜!!
長谷川くん、ナイスシュート!
女子生徒
藤原くんも頑張れ〜!
ここでもあの2人に注目が集まってて、
ほとんどの女子がコート脇で2人の事を応援してる。
青山(なまえ)
青山あなた
凄い応援…。
朝川咲希
朝川咲希
他の男子はやりにくそう(笑)
私は咲希と離れた場所でその様子を見てた。
この後、あんな事が起きるなんて思わずに_____








































試合が終盤に差し掛かった時だった。
男子生徒
うわっ!
パスが失敗したらしく、ボールがコートの外へ飛び出た。
そして______









男子生徒
危ないっ、避けろ!
青山(なまえ)
青山あなた
えっ…
そのボールが私の方に向かって飛んでくる。
朝川咲希
朝川咲希
あなたっ…!
ダメだ、避けられない…!



















______バシッ









___あれ…?
何かに当たった音がしたものの、覚悟してた痛みは無くて。

ギュッと瞑ってた目を恐る恐る開けてみる。









目の前には1人の男子が立っていて、その足元にはボールが
転がっていた。
その男子は_____



















青山(なまえ)
青山あなた
長谷川、くん…?
長谷川慎
長谷川慎
…危な。
さっきまで試合をしてたはずの長谷川くんだった。
バタバタッ
女子生徒
長谷川くん、大丈夫!?
ドンッ
青山(なまえ)
青山あなた
っ…!
応援してた女子達が長谷川くんのそばに駆け寄ってきて、
近くに居た私は、その波に押されて転んでしまった。
朝川咲希
朝川咲希
あなた!
大丈夫だった?
青山(なまえ)
青山あなた
咲希…。
転んでしまったところに、咲希が駆け寄ってきてくれた。
朝川咲希
朝川咲希
もう、何なの!?
朝川咲希
朝川咲希
人の事押し退けといて、放っておくとか!
咲希は怒りながら女子達を睨む。

女子達は変わらず、長谷川くんの周りで騒いでるまま
こっちには全く気づいていないみたい。
青山(なまえ)
青山あなた
長谷川くんの事が心配なんだよ。
朝川咲希
朝川咲希
けど、だからって…!
青山(なまえ)
青山あなた
私なら大丈夫だから、ね?
朝川咲希
朝川咲希
っ…。
何とか咲希を宥めて、立ち上がろうとした時______



















大丈夫、立てる?
目の前に誰かの手が差し出された。
青山(なまえ)
青山あなた
え…?




















見上げると、そこには長谷川くんの姿。

さっきまで女子達に囲まれてたはずなのに、どうして…?
長谷川慎
長谷川慎
ほら、俺の手掴んで。
青山(なまえ)
青山あなた
あっ、うん…。
長谷川くんに言われるがまま、その手を取る。

すると、長谷川くんは私の手を優しく引っ張って
立たせてくれた。
青山(なまえ)
青山あなた
ありがとう…。
バタバタッ
男子生徒
長谷川、大丈夫だったか!?
男子生徒
青山もマジでごめん!怪我してない?
気づいたら、今度は試合をしてた男子達が
私と長谷川くんの周りに集まっていた。
長谷川慎
長谷川慎
俺なら平気。
青山(なまえ)
青山あなた
私も大丈夫だよ。
大丈夫そうなのを見て、男子達は安堵の表情を浮かべる。

これで一件落着したように思えたのも束の間______



















男子生徒
なぁ長谷川、腕どうした?
長谷川慎
長谷川慎
ん?
青山(なまえ)
青山あなた
その腕…
男子生徒
真っ赤じゃねぇか!
今になって気づいた。

長谷川くんの腕が赤く腫れ上がっている事に。

きっと私を庇った時にボールで…。
長谷川慎
長谷川慎
あぁ、これぐらい大した事ねぇよ。
男子生徒
いやいや、腫れてんじゃん!
驚きのあまり、男子達が慌てふためく。
先生
おーい、お前らどうしたー?
そこに審判をしてた先生が来た。

騒いでいたから、様子を見に来たみたい。
男子生徒
先生!
長谷川の腕が…。
先生
…かなり腫れてるな。
腕の腫れに、先生も思わず顔を顰める。
先生
保健室で冷やす物貰ってこい。
先生
青山、悪いが長谷川の付き添い頼めるか?
青山(なまえ)
青山あなた
えっ…
思ってもなかった先生の発言に驚きが隠せない。

でも、私のせいで怪我をさせてしまった手前付き添いを
断る理由なんて見つからず______









青山(なまえ)
青山あなた
…分かりました。
女子達から痛いほど視線を受けながら、長谷川くんと2人で
体育館を後にした。







































ガラガラッ
青山(なまえ)
青山あなた
失礼します。
保健室に来たものの、先生の姿は見当たらなかった。
長谷川慎
長谷川慎
誰も居ないみたいだな。
青山(なまえ)
青山あなた
そうみたいだね。
しばらく待ってみたけど、先生が戻ってくる気配は無い。
青山(なまえ)
青山あなた
ちょっと待ってて。
待つのをやめて、冷やす物を探し始めた。

保冷剤は見つけられたけど、それをくるめる物が
見つからなかった。
……仕方ない。









青山(なまえ)
青山あなた
はい、これで冷やしてみて。
長谷川慎
長谷川慎
これって…。
自分の持ってたハンカチで保冷剤をくるんで
長谷川くんの腕に置いた。
青山(なまえ)
青山あなた
私ので申し訳ないんだけど…。
長谷川くんは渡したハンカチをじっと見つめてる。
青山(なまえ)
青山あなた
あの、長谷川くん…。
長谷川慎
長谷川慎
ん?
青山(なまえ)
青山あなた
怪我、させちゃってごめんね。
青山(なまえ)
青山あなた
あと…
顔を上げて長谷川くんの方を見る。



















青山(なまえ)
青山あなた
助けてくれてありがとう。
キーンコーンカーンコーン
そうお礼を言ったところで、授業の終了を知らせる
チャイムが鳴った______




プリ小説オーディオドラマ