第10話

海に行く前:リクヲ
292
2019/05/05 13:15
僕はその日、朝から打ち合わせがあって
みっくん以外にはおはよう、と言わずに出てきた。



少し長引いてしまった打ち合わせを終えて、家に帰ると、







そこには
















泣いているみっくんがいた。
リクヲ
み、みっくん?どうしたの?
ツリメ
うぅっ、りっ、くんっ、
あなたが…あなたが……うわ"ーん"!!
リクヲ
えっと、お、落ち着いて?
あなたがどうしたの?
それから、10分くらい
泣き止まないみっくんを落ち着けて、話を聞いた。








普段あまり大泣きなんかしないみっくんが
ここまで大泣きするなんてなにかあるに違いない。

僕の勘は










当たった。
ツリメ
あなたがっ、あなたがっ、
死んじゃったかもしれない…
リクヲ
えっ!?
ツリメ
1時間くらい前にみんなに言っといてって、僕に伝えてどっかに出かけちゃったの…
リクヲ
うそ…探さなきゃ、
そらたちに連絡しなきゃ!
あっ、そうだ!警察!警察にも…
ツリメ
ごめんね、りっくん。
僕、なんにもできなくて。
リクヲ
いいよ、気にしないで。
それより、そらたちに電話してくれる?
ツリメ
うん、
リクヲ
あっ、すいません、警察ですかっ?
人が行方不明なんですけど、
はい、はい
ツリメ
あ、そら!今すぐ帰ってきて!
あなたがっ、
そらちぃ
どうした?大丈夫?分かった、帰る。
30分くらいかかるかも。
ツリメ
うん。
リクヲ
あ、お願いします。
できるだけ急いでもらえますか?
もしかしたら、危ないかもしれないんです。
リクヲ
お願いします。失礼します。
ツリメ
りっくん…
リクヲ
どうしたの?そらとえいちゃんに言った?
ツリメ
そらは繋がったんだけど、
えいちゃんに繋がんなくて、
リクヲ
分かった。みっくんもう1回かけてみて。
そらにもいっとく。
ツリメ
うん、
┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈
ツリメ
あっ、えいちゃん!
お願い、すぐ帰ってきてっ!
エイジ
なんで?ま、できるだけすぐ帰る。
ツリメ
理由はあとで説明する!
リクヲ
どう?
ツリメ
できるだけすぐ帰る。って。
ガチャっ!
そらちぃ
ただいまっ!あなたはっ!?
リクヲ
まだ。警察からも病院とかからも連絡なし。
そらちぃ
りっくんいつ帰ってきたの?
リクヲ
1時間くらい前に。
そらちぃ
その時あなたいたの?
リクヲ
ううん、帰ってきたら、
みっくんが泣いてて、
そらちぃ
ツリメッ!
お前、最後にあなたといたのか!
ツリメ
うん、
そらちぃ
うんじゃねんだよ!
なんで引き止めなかった!
リクヲ
そら、落ち着いて。
みっくんは悪くない。
そらちぃ
なんでだよ。
なんで悪くないって言えんの?
リクヲ
みっくんは、大切なことを知ってる。
そらちぃ
は?
リクヲ
あなたの出かける前の音声。
あなたが出かける前に
僕達みんなにメッセージを残したんだって。
リクヲ
みっくんが覚えきれるか心配だったから、
録音しておいたんだって。
そらちぃ
まじ、かよ、、、
リクヲ
みっくん、流して欲しいんだけど、
いいかな?
ツリメ
うん、
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