第16話

#15 パートナー確定
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2022/04/07 02:00

――放課後。
私と風磨君は生徒会舎まで呼び出されていた。
もちろんパートナーの提出用紙についてのことだ。



私たちの前には
生徒会長のHigh3組の伊野尾慧君。
その隣には、High1組の平野紫耀君と、同じクラスの岸くんがいる。




伊野尾「おい、どういうことだよ」



あなた「私に言われても……」



平野 「まぁ、あなたちゃんじゃそうだよな」



伊野尾「風磨!!どうして、拾った上にそれに名前書いて提出したんだよ!」



風磨「俺だって!誰かと踊ってみたかったんだよ!!!!」




その言葉に、生徒会の3人は急に検討会議を始めた。




岸「生徒会長!これどうにかならないんですか?」



伊野尾 「どうしようか……」



提出期限も切れてしまい、本来ならばどうすることもできないこと。
ですが、ことがことなだけに放課後緊急に呼び出されているのだ。




平野「こいうのって、生徒条約とかに載ってないんですかね?」



伊野尾「まぁ異例のことだからな……。決まりごとがないんだよ」



岸「だったら特例出したらいいんじゃないんですか?」



平野「それいいね」



伊野尾「そういう場合、校長の同意がいるよな~?」



岸「でも、これって生徒会で決めて交付すればいいんじゃないですか?」



平野「それいいの?」



伊野尾「まぁまだパートナーの発表してないし、変えることはギリ可能じゃね?」



2人「たしかに!」



伊野尾「じゃあ、そうしよう!」




話が終わったようで私たちの方に顔を向ける生徒会3人。




伊野尾「今ならパートナーの発表もしていないし、変更はギリ可能!ということで結論ついたけど……」



平野「あなたちゃんはもともと誰誘おうとしてた?」



あなた「えっ!?」




意外な展開に驚く私と風磨君。
私自身誰と踊ろうと思ってもいなかったので、どうしようもできなく、
「朝になっても決まっていなくて……」と正直なことをいってしまう。




伊野尾「なんだよ。せっかくいい案だと思ったのにな」



岸「そうですね〜」



平野「だったらこの提出書採用してもいいんじゃないんですか?」



伊野尾「たしかに、それもそうだな。じゃああなたちゃんは風磨でもいいの?」



あなた「まぁ……」



伊野尾「なんかよくわかんないことなったけど、これでいっか。2人はさっさと寮に戻れ!!」




私たちは寮へと帰された。






気まずく帰る私たち。
なにを話したらいいかわからない。




寮へと戻るのに、長い間の沈黙があった。




風磨「ごめんね。勝手に持ってたりして」



あなた「そんな気にしないでよ」



風磨「ならいいんだけどさ……」




隣を歩いている風磨君の顔を見るとすごく切なそうな感じ。




風磨「ホントは違うんだよ。廊下に落ちていたなんて」



あなた「えっ!?」



風磨「ホントのこと言ったほうがいいよな。って思って」




風磨君は少し間を置いてから話してくれた。
提出用紙が消えた真実を。



風磨「ごめんね。勝手に持っててさ」



あなた「そ、そうだったんだ……」



風磨「あぁ。どうしてもあなたちゃんと踊りたくて」



あなた「えっ!?踊りたかっただけじゃないの?」



風磨「違うよ。あなたちゃんと踊りたかったんだよ。俺・・・」









風磨「俺、あなたのこと好きだからさ」



私の隣で優しく彼は言った。
思ってもいなかったことに私は返事に戸惑ってしまった。




風磨「返事はいいよ」



あなた「えっ!?」



風磨「あなたちゃんが相手を決められなかったのって……好きな人がいないからでしょ。それに・校則でも恋愛禁止だしな。片思いはいいって感じだけど・・・・」



あなた「そっか。ごめんね」



風磨「謝んなって、じゃあな」




風磨君は走って寮のほうへと戻っていった。




初めて告白された私。
告白されるってこういうことなんだ、ってわかった。




心のどこかで申し訳なく思う。
誰もまだ『好き』と思えていない自分が情けない。




恋されるってこういうことなんだ。

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