私の名前はあなた。12年前まで大好きだった親友が
いた。だけど急に音信不通に。その子の祖父に
聞いても、ケンちゃんに聞いても、三ツ谷に聞いて
も、みんなみんな同じ返答だ。
「マイキーは外国でカフェやってる。」
そんなわけない。じろちゃんは私を捨てないはず、
なのに、なのに、12年前だって、
あの日、約束したのに!!
回想
その時のじろちゃんはなんだか、悲しげな顔を
していて、なんだかすぐに消えてしまいそうな
瞳をしていた。触れようとしても、触れられない、
なぜだかそう感じた。
そんな昔のことを思い出しながら、いつも通り
会社へ向かう。なんだか今日は憂鬱だ。
そんな余計重く感じることを考えながら歩く。
ただパソコンに向き合って、ただタイピングして、
ミスして怒られて、上司にお尻を触られて、
飲み会には強制参加させられて、お酒を一気飲み
させられて。
何も変なことはない。上司も優しい、
後輩も優しい、同期も優しい、
私に仕事をくれるし、仕事のミスを指摘してくれる
優しい人を持ったなぁ、私、
大丈夫、私は大丈夫。ただみんなより少し、
大変なだけだから。
飲み会が終わり、私は帰路についていた。
なぜだろう。じろちゃんに似ている人が通った。
そう思っていた矢先、だんだん眠くなってきた。
昔のことが鮮明に思い出される。
けーすけと春ちゃんとじろちゃん、真くんに
たけおみくんにせんじゅちゃん。
皆んなで元気に走り回って、泣いて笑って、
怒って.......。あれ?それからはるちよの
口をじろちゃんが裂いて....あれ?でも
このじろちゃんは階段から落ちて頭を打って.....?
あれ、なんだか、なかったことが急に鮮明に
思い出される。おかしい。あれ?
どっちが正解だ。そう思っていたら、
最後に聞こえたのは
紛れもない、
海外にいるはずだった、
じろちゃんだった。
万次郎side
......。シンイチローから貰ったヒコーキのおもちゃが
壊れてからなぜか、俺の日々が狂ったような
気がした。気づいたら春千夜の口にキズを
つけてるし、一虎を殺そうとしてるし、
場地も死んだし、..........
イザナが死んでから、思ったんだ。
俺がいると皆んなが不幸になる。
だから、みんなとは距離を置こう。
イザナの意思を継ごう。そう思った。
だから、最後に、最期にあなたに。
そう思ったんだ。 だけどお前は、
なんて事言うから、心が痛くなった。
俺がトップに立ったら、全部を手に入れたら、
迎えに行くからさ、待っててよ、あなた。
12年後
久しぶりに見たあなたは、なぜだか痩せ細っていて
やつれていた。相当厳しい会社なんだろーナ....♡
梵天の傘下だってコトも知らずに働いててさぁ♡
実質同じ会社で働いてるようなもんだよネ.....♡
職場恋愛ってOKだったっけな....。ま、むりでも
強制的にOKって言わせるだけなんだけど、笑
やっと手に入れた。
もう二度と離してやらないからな♡
お前が言ったんだろ?
「じろちゃんは私を置いてかないよね」
って、俺はお前をもう二度と
置いていかないからさ、
俺の全部、お前にあげるからさ、
お前の全部も、身も心も体も全部全部全部、
オレにくれよ。
アンケート
誰にする?
半間修二
20%
黒川イザナ
61%
鶴蝶
20%
投票数: 71票
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編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。