第11話

関係の変化
216
2024/04/02 00:00

竜胆
あなた
あなた
はい,どうしました?

体を離し,真剣な目をして見てくる竜胆さん。

竜胆
記憶なんて戻ってなくてもいい,だから俺とまた付き合ってくれねぇか?
あなた
っっ!!

ポロポロと私の目からは涙が溢れた。

竜胆
え,
あなた
ごめんなさいっ,嬉しくてっ…

泣いている私の頭を撫でて抱きしめてくれる竜胆さんに体重を預ける。

あなた
竜胆さんっ,竜胆さんっ
竜胆
ん?どうした?
あなた
大好き,です……
竜胆
俺も大好き

何度も名前を呼んで,思い出そうとしても思い出せない苦しさを紛らわせて,
ギュッと抱きつく力を強めて,竜胆さんで頭をいっぱいにするように。

竜胆
俺さ,ずっと思ってたんだ
あなた
??
竜胆
あなたは俺と一緒にいるの嫌なんじゃないかって
あなた
え,どうして……
竜胆
知らねぇ男と一緒にいんだぜ?普通に考えたら嫌だろ?

確かにそうだと思った,けれど竜胆さんなら私は嫌だと思わない。
ここ数日間,一度も嫌だと思ったことはなかった。

竜胆
でもさ,あなたの気持ち知れてよかった
あなた
私も竜胆さんの気持ちが知れてよかったです…!

ニコッと微笑みを返すと目を掌で覆われて,チュッとまたキスをされた。

あなた
あの,竜胆さんっ?//
竜胆
お前が可愛いのが悪い、ごめん、もっかいしていい?
あなた
っっ///
あなた
ど、どうぞ……///

今度は自分で目を瞑る,すると優しいキスが落ちてくる,こういう所も好き。

竜胆
ふっ、じゃあ俺そろそろ帰るな
あなた
はい,お気を付けて
竜胆
あなた,明日も来るから
あなた
お待ちしております

ニコリと微笑んで軽く手を振ると竜胆さんも振り返してくれる,やっぱり優しい。
反社だとしても竜胆さんは優しいのだ。

あなた
夢,じゃないよね?私本当に竜胆さんと付き合ったの?

今でもこれが本当のことかよく分からない。

あなた
な,んか急に眠気が……

疲れたからだろうか,急な睡魔に私は瞼を閉じた


あなた
ん,へ?

目を開けるとそこには目の前で寝ている竜胆さんが。

あなた
ど,どうしてここに……?
竜胆
んん……
あなた
わっ!!

グイッと眠っている竜胆さんに引っ張られて私は竜胆さんの腕の中にすっぽり埋まっていた。
ど,どうしよう,起こしてもいいのかな……

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