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第10話

9.怖い(続)
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2024/03/16 06:38
元貴side

あー、だめだ。
さっきから目を洗ってみても気を紛らわそうとしても一行に涙が止まらない。
今までならこんな事無かったのに。
ていうかなんで自分が泣いてんだよ。あなたの方が辛いだろ。どうにかするのが父親だろ。
「乗り越えられないなら支える」って口だけじゃん僕。
大森元貴
ごめんねぇ、あなた、
そう小さく呟くと電話が掛かってきた。
涙で前が見えない状態で誰からかもわからずに電話に出た。
若井滉斗
『もしもーし』
若井だった。
大森元貴
もしもし、
若井滉斗
『え、どうした?なんか元気ないじゃん』
大森元貴
ううん、
駄目だよ。若井に心配掛けちゃ。
若井滉斗
『泣いてるでしょ』
大森元貴
ぇ、なんで、?
若井滉斗
『何年一緒に居ると思ってんの?こんくらい勘でわかるよ。』
凄いなぁ、若井は。なんでも僕のことわかっちゃう、笑
若井滉斗
『なんでも話してみろ!受け止めてやっから!』
大森元貴
うぅ、泣
こんな優しい人と友達だなんて僕はなんて恵まれているんだろう。
その後何があったかを全て話した。
若井滉斗
『そっか、でも元貴がそれで罪悪感を感じる必要は無いよ。』
大森元貴
でも、罪悪感を感じる以外に何したらいいのかわかんない、
若井滉斗
『とりあえず何日かあなたちゃんにスマホ見せずに曲作りもやめて元貴が一緒に居てやったら気持ちも落ち着くんじゃない?』
若井滉斗
『俺にはそんくらいの事しか思いつかないけど元貴なら大丈夫だと思うよ』
大森元貴
うん、グスッ
ありがとう、!
若井滉斗
『じゃあまた』
大森元貴
うん、!
あなたside


窓から差し込む光に起こされ目が覚めた。
昨日は確か、

あぁそうだ。歌詞書いてたんだっけ、



そう思い横を見ると、
あなた
ぇ、
紙で散らばって床は埋まっているはずの部屋は床がしっかりと見える状態で紙の姿が見当たらない。と思ったら机の上に重ねて綺麗に置いてある。そしてふとゴミ箱を見ると中身は空っぽで。
寝起きで重い腰を上げ机の上に重ねてある紙を見た。すると
あなた
、!
破った紙がテープで綺麗に元の形を取り戻していた。
だからゴミ箱の中身が無かったんだ。
それに消しゴムで乱暴に消して何が書いてあったのかも忘れた歌詞も見覚えのある人の字で元の歌詞になっていた。
あなた
ぅ、泣
気づいたらその紙を抱きしめながら涙をこぼしていた。







(ガチャッ)
大森元貴
おはy、
大森元貴
ちょ、どうした!?
あなた
うぅ、グスッ
(ギュッ)
あなた
ありがとう、
大森元貴
んーん、感謝することでもないよ笑
やっぱりお父さんは優しいなぁ。
(数分後)
大森元貴
落ち着いた?
あなた
うん、!
大森元貴
そういえばさ、今日一緒にお出かけしよっか!
あなた
え、仕事は?
大森元貴
まあまあそこは良いとして!
大森元貴
どこ行きたい?
あなた
じゃあ、遊園地は?
大森元貴
いいよ!じゃあ準備して行こ!
次回遊園地!
スクロールお疲れ様でした!

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