元貴side
あー、だめだ。
さっきから目を洗ってみても気を紛らわそうとしても一行に涙が止まらない。
今までならこんな事無かったのに。
ていうかなんで自分が泣いてんだよ。あなたの方が辛いだろ。どうにかするのが父親だろ。
「乗り越えられないなら支える」って口だけじゃん僕。
そう小さく呟くと電話が掛かってきた。
涙で前が見えない状態で誰からかもわからずに電話に出た。
若井だった。
駄目だよ。若井に心配掛けちゃ。
凄いなぁ、若井は。なんでも僕のことわかっちゃう、笑
こんな優しい人と友達だなんて僕はなんて恵まれているんだろう。
その後何があったかを全て話した。
あなたside
窓から差し込む光に起こされ目が覚めた。
昨日は確か、
あぁそうだ。歌詞書いてたんだっけ、
そう思い横を見ると、
紙で散らばって床は埋まっているはずの部屋は床がしっかりと見える状態で紙の姿が見当たらない。と思ったら机の上に重ねて綺麗に置いてある。そしてふとゴミ箱を見ると中身は空っぽで。
寝起きで重い腰を上げ机の上に重ねてある紙を見た。すると
破った紙がテープで綺麗に元の形を取り戻していた。
だからゴミ箱の中身が無かったんだ。
それに消しゴムで乱暴に消して何が書いてあったのかも忘れた歌詞も見覚えのある人の字で元の歌詞になっていた。
気づいたらその紙を抱きしめながら涙をこぼしていた。
(ガチャッ)
(ギュッ)
やっぱりお父さんは優しいなぁ。
(数分後)
次回遊園地!
スクロールお疲れ様でした!
編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!