第11話

甘々 10
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2024/05/05 00:59
その日は久しぶりにランドリーの任務があった。
依頼内容はとある組織のデータを盗むことと制圧。
俺がデータを盗んでいる間にセラお、奏斗が組織の制圧をする手筈だった。
雲雀
アキラ、目的の部屋着いた
akr
《了解です。そこのどこかに隠し部屋がある筈です》
隠し部屋、ってことは壁に仕掛けがあるんか?ん〜、ここ怪しいな。
一つだけ、壁の色合いが微妙に違う場所があった。そこの壁を押してみると扉が現れた。
雲雀
ん、あったわ
akr
《その中にデータの入ったUSBがあるので、回収お願いします》
雲雀
りょーかい!
中に入ると、パソコンにUSBが刺さっていた。きっとこれだろう。
雲雀
回収完了!
KNT
《こっちも制圧完了だよ〜》
どうやら奏斗達の方も終わったらしい。
俺もそろそろ出ようと思い、窓から逃げると無線からセラおの焦る声が聞こえた。
srp
《雲雀逃げて!!》
雲雀
え、
次の瞬間、銃声が鳴り響いた。
雲雀
っ、セラお!!
srp
雲雀、俺が時間稼ぐから早く逃げて!
雲雀
お、おう!!
その場から急いで逃げる。後ろからセラおが戦ってる音がした。
無線からはアキラと奏斗の焦った声が聞こえてくる。
akr
《何があったんですか?!》
雲雀
たぶん、増援やと思う!今セラおが相手してっけど、少し人数多い!!
KNT
《俺もセラに加勢してくる!ひばはそのままアキラんとこ急いで!》
akr
《タライ、なるべく安全ルートで案内します!》
雲雀
わりぃ!助かるっ、ぅお?!
やばい、無線イヤホン落とした!!
雲雀
うわっ、これ戻ってる暇ねえ!!
駆ける足をさらに早める。
追っ手はどんどん増えるばかり。どんだけ増援呼んでんだよ!!
雲雀
っは、っは、
雲雀
っくそ、!
追いつかれる、そう思って半分諦めかけた時、頭上から聞き覚えのある声と気配がした。
??
雲雀!!!
雲雀
……!っく、
伸ばされた手を迷うことなく掴むと、そのまま体を引き寄せられる。
雲雀
っわ、
??
逃げるよ、このまま捕まってて
フードで顔が見えないが、誰だかすぐに解った。
逃げ切れたら、お礼言わないとな。

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