第9話

甘々 8
205
2024/05/05 00:39
あなた
ありがとうございました〜
お客さんが出て行った背ににそう声をかけた。
??
いやぁ、助かったよ。あなた
あなた
あ、じぃじ
店の奥からじぃじがお盆を持って出てくる。
おじぃ
お茶にしようか
お盆には紅茶とシフォンケーキがあった。
あなた
ん、うま
おじぃ
そうかい。ばあさんに言っておくよ
ここは時計屋『ChroNosクロノス』。
主に時計を売っているが、ごく僅か鏡やちょっとしたアクセサリーも売っている。それに、ちょっとしたご依頼を受けることも。

一応、ぼくのじぃじが運営しているけど……最近は歳の所為か、長時間動くことができなくなってきたらしく、僕が手伝っている。じぃじが言うには僕にChroNosを受け継いで欲しいんだとか。
あなた
ん、そだ……じぃじ、例の件はどうなったの?
例の件、それは家業に関わること。
なんでも上の人が騒いでるとのことで、まあ要は巻き込まれである。
おじぃ
……議会では、次の時守ときもりになるものを置くことになったらしい
あなた
ふーん、それで?
おじぃ
分家からではなく、本家から跡取りを決めるらしい
あなた
へー
おじぃ
…………
あなた
じぃじ?
おじぃ
その、言いづらいんだが……
そう言いながら視線を彷徨わさるじぃじ。
一体どうしたと言うのだろうか?
あなた
何?どしたん、ほんとに
おじぃ
その……時守に、お前を指名したそうだ
あなた
……は、?

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