第19話

第十八話
32
2024/02/03 11:58
はあ…本鈴までにギリギリ間に合った。
そのあと普通に授業受けたよ。特に何もなかったからカットするけど。

放課後。
委員会の仕事で少し遅くなった。ノートを四回まで運ぶ羽目になるとは………
疲れた…

多分もうこの時間じゃ誰もいないだろうな。
教室の扉を開けた。
前川蒼司(マエカワソウジ)
前川蒼司(マエカワソウジ)
あ、あなたの名字。委員会お疲れ様。
(なまえ)
あなた
え、前川くん…?なんで…
前川蒼司(マエカワソウジ)
前川蒼司(マエカワソウジ)
僕今日部活ないからさ、あなたの名字と帰りたいなーって。
(なまえ)
あなた
あー…なるほど…
前川蒼司(マエカワソウジ)
前川蒼司(マエカワソウジ)
聞いたか?玲央、今日は休みだけど明日は来れるって。
前川蒼司(マエカワソウジ)
前川蒼司(マエカワソウジ)
思ったより大した怪我じゃなかったんだってさ。
(なまえ)
あなた
あ……
林田くん…

あれを読む前の私ならそんなはずないって信じなかったかもしれない。
でも今は正直………
(なまえ)
あなた
信じられない
前川蒼司(マエカワソウジ)
前川蒼司(マエカワソウジ)
ん?
(なまえ)
あなた
前川くん。
前川蒼司(マエカワソウジ)
前川蒼司(マエカワソウジ)
な、何?
(なまえ)
あなた
全部前川くんなの?
前川蒼司(マエカワソウジ)
前川蒼司(マエカワソウジ)
……え?、どういうこと?
(なまえ)
あなた
わからないの…?
前川蒼司(マエカワソウジ)
前川蒼司(マエカワソウジ)
え、僕もしかして何かした?
前川蒼司(マエカワソウジ)
前川蒼司(マエカワソウジ)
それならごめん…?
(なまえ)
あなた
わからないふり、しなくていいよ。
(なまえ)
あなた
闇の子小説。
前川蒼司(マエカワソウジ)
前川蒼司(マエカワソウジ)
…………え?
前川蒼司(マエカワソウジ)
前川蒼司(マエカワソウジ)
な、なんで…そのサイト。
前川蒼司(マエカワソウジ)
前川蒼司(マエカワソウジ)
………もしかして、読んだの?僕のあ、あの小説…
(なまえ)
あなた
うん。読んだよ。
(なまえ)
あなた
やっぱり知ってるんじゃん。
(なまえ)
あなた
なんであんなことしたの?
前川蒼司(マエカワソウジ)
前川蒼司(マエカワソウジ)
…ん?
(なまえ)
あなた
人を……ッ!落とす、なんて…。
前川蒼司(マエカワソウジ)
前川蒼司(マエカワソウジ)
えっ?あ、落とすって((
(なまえ)
あなた
とぼけないでよ。
(なまえ)
あなた
あれ書いてたってことはそういうことでしょ?
(なまえ)
あなた
信じらんない。
前川蒼司(マエカワソウジ)
前川蒼司(マエカワソウジ)
ッ………。
(なまえ)
あなた
もういいって演技は。
(なまえ)
あなた
…‥そんな人だなんて思わなかった。
(なまえ)
あなた
もう、話したくない。
前川蒼司(マエカワソウジ)
前川蒼司(マエカワソウジ)
はっ……?あ、おい待てよあなたの名字!
ガラガラガラッッ

リュックを背負い、走ってその場を立ち去った。
やっぱり…やっぱり前川くんなんだ。

なんでなの……
涙で視界がぼやける。
斉野晃牙(サイノコウガ)
斉野晃牙(サイノコウガ)
………え、あなたの名字さん?
(なまえ)
あなた
………え…
(なまえ)
あなた
あ、斉野くん…
斉野晃牙(サイノコウガ)
斉野晃牙(サイノコウガ)
………うち、来る?
(なまえ)
あなた
え?
斉野晃牙(サイノコウガ)
斉野晃牙(サイノコウガ)
そんな顔で外歩かない方がいいって
(なまえ)
あなた
………
確かに今の自分は酷い顔をしている自信がある。
涙止まらないし
(なまえ)
あなた
じゃあ、お言葉にっ甘えて……ッ
斉野晃牙(サイノコウガ)
斉野晃牙(サイノコウガ)
うん。
そうして斉野くんの家に入らせてもらった。
意外と近いところにあったらしい。
斉野晃牙(サイノコウガ)
斉野晃牙(サイノコウガ)
お茶、いる?
(なまえ)
あなた
…うん。お願いします‥
斉野晃牙(サイノコウガ)
斉野晃牙(サイノコウガ)
りょーかい。
あーあ、迷惑かけちゃったな……
斉野くんに申し訳ない….
斉野晃牙(サイノコウガ)
斉野晃牙(サイノコウガ)
はい、どうぞ。
(なまえ)
あなた
ありがとう。
お茶を飲みながら、ついさっきあったことを話した。ゆっくり、ゆっくりと。
相変わらず涙は止まらなかったけど、斉野くんは何も言わず話を聞いてくれた。
聞き上手って奴なのかなぁ…話してると、落ち着く…落ち着きすぎて眠く……なって…き、た…
斉野晃牙(サイノコウガ)
斉野晃牙(サイノコウガ)
大変だったんだね…
斉野晃牙(サイノコウガ)
斉野晃牙(サイノコウガ)
もうそんな目には合わないから。
斉野晃牙(サイノコウガ)
斉野晃牙(サイノコウガ)
僕が君を守るからね……
斉野くんの言葉が聞こえるが、ちょっとずつ遠くなっていく…

あ、もうだめだ…



no side
斉野晃牙(サイノコウガ)
斉野晃牙(サイノコウガ)
………寝た、か。
彼は小さく呟く。そして、彼女を部屋まで連れて行って寝かせ、そのままどこかへ立ち去った。




そんな彼の口元はどこか歪んでいた………

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