ううん。
こんなことで私達が気まずくなることは無い。
そんなことは分かってるんだ。
私は…私の思いを伝えるだけ。
もう一回父と母からちゃんと聞きたい。
《《ガチャ》》
私がずっと両親との関係のことを
知っていたことはまだ黙っていよう。
大切な両親から聞いてない言葉は
真実を知った…ということにはならない。
だから私は真実のことを
本当の意味で今、始めて知ったことになる。
私達のスタートは今、ここから。
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私達が悩んでいたことも…恐れていたことも…
案外単純なもので、向き合ってみれば
複雑に絡まっていた結び目も
簡単にほどけていく。
家族も…友達にも…自分にだって
心の中にある固い結び目をとく力はみんなにある。
この人といたら落ち着く…安心できることが
あるように、
みんなそれぞれ特別な何かを持っているから
自分が他の人と違っていることがあっても
それは当たり前のこと。
自分と同じ人は絶対にいないから…。
私達は太陽がすっかり姿を見せなくなる頃まで
夢中で台本を読み続けた。
それはあの頃…幼い頃に感じた…
わくわく、そのものだった。
これから何が始まるんだろう?
まだ見えない
何かに向かって夢中で走り続けていた幼い私。
さぁ、始めよう。
編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。