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第1話

283
2024/04/14 00:00
乱歩視点





稍日が傾き、空を朱く染め上げる夕刻。

僕は福沢さんから貰った大事な大事な探偵道具を、運んでいる所だった。

誰かとすれ違った。








ふと、違和感を覚えた。

此の人は……此の儘向かえば死ぬ事になる。

此れは伝えないと。

福沢さんと人を守るって約束したしね!




乱歩
乱歩
ねぇ、君
乱歩
乱歩
其の儘行ったら、死ぬよ?




声を掛けた男の人は生気を失って、唯目的の場所に足を運んでいる様な感じだった。

でも……此の人は、多分、強い。



織田作
織田作
……判っている




は?と、そう思ってしまった。

其れって、自分が死ぬのが判ってて態々行くって事だろう?






そんなの、自殺行為じゃないか。






僕の推理に依れば、此の人は大切な人達を殺されて、其の復讐に行くって所だ。



乱歩
乱歩
っ……!待って!!
織田作
織田作
……?




自分でも驚いた。

だって此の人は復讐しに行くんでしょ?

……其れこそ、自分が其れに依って死ぬ事も許容出来るくらいに意志の強いもの。

僕に其れを止める義理は無いし、自分の命の使い方は自分で決める権利が有るのだから、義務も無い。







なのに……







其れなのに…矢っ張り、見す見す見逃すだなんて、僕には出来ない。






僕は名探偵だから。





乱歩
乱歩
駄目だ
乱歩
乱歩
僕は此の儘君を見殺しにする訳には
いかない
織田作
織田作
…君が誰かは知らないが、
俺にはやらなければならない事がある
織田作
織田作
死んでも……な
乱歩
乱歩
っ…「死んでも」って……








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読んで下さりありがとうございました!

話自体は作ったけど、どこで切ればいいかわからず、変なところでぶっちぎりました、すみません。

初めて書くのでドキドキ

誤字脱字やここ変!ってところなとがありましたら遠慮なく教えてください!

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