あれから何時間経ったのだろう
目の前がくらくらしてまともに見れない
目の前の男はそんな私の状態を
楽しんでいるのかウキウキな声で
銃を私の頭に向け見下ろしながら
笑っている
こうやって苦しめられる側になったのは
これで〝2回目〟か
そんな事を考えながら
眼の前の敵を見て言う
こいつは気づいていないだろう
またボタンを押そうとしているその後ろに
ゾムがいる事を
ガッ 鈍い音を立てて目の前の男が
倒れる
ゾムはナイフをしまい男から鍵を取り牢を開けると
怒ったように
と手錠や足枷をはずす
男が倒れたこともあり首の輪も消えて
呼吸が楽になる
しばらく経ち全て外せたのか
こちらに手を出して 「 行くで 」
と言う 。
ゾムの手を取ろうと動いた瞬間
とてつもない痛みが足を襲う
それに気づいたのかゾムは
私の膝下、背中に手を回し持ち上げる
いわゆる姫抱きと言うやつだ
ゾムは私を抱き上げた瞬間驚いたように
と訪ねてくる
私は素直に 「 食べまくってるぞ 」
と返す
ゾムは 確かに と言い
扉の方へと歩いていく
私は 「 あいつは連れて行かなくていいのか ?」
と聞いたが 「 拘束しとるからええよ 」
と返された
ちらっと見てみると拘束されている彼は
目が覚めたのか少し笑いながら
ぼそっと何かを呟く
何と言ったのかは分からないが
今は疲れた
そんな私の気持ちが分かったのかゾムは
と優しく言う
そんなゾムに甘えるように
その温もりに包まれるように
目を閉じる
ゾムの声で目を覚ますと
そこは慣れ親しんだ我々国のベッドの上だった
ふと隣を見るとそこには
目を閉じたままのひとらんが眠っていた
ペ神や他の奴らは私が起きたことに
凄く安堵しており、
私の教え子達は私のことをぎゅっと抱きしめて
ペ神はグスッと鼻をすすって救護室を出ていき
全員しゅん…と落ち込んでおり、
私はそんな彼らと幹部たちに
「 すまなかったな 以後気おつける 」
と謝ると全員が 「 そうしてや 」
と全員に言われる
でも、それよりも、隣りにいるひとらんだ
ねているだけ、寝ているだけなのに
そんな私の一言に幹部全員が
顔を暗くし、意を決したように言葉を発した
オスマンの言葉は
本当と信じれなくて、信じたくなくて
ただ、ただ、
目の前が真っ暗になっていくことだけが分かった
ライ/夜月徠斗さんとの交換宣伝です!!
一言で言ってガチで神です!
こっちの小説を見てから見たほうがいいと思います!
どちらも神作なのでぜひ見に行ってください!
編集部コメント
引きこもりのおじさんと真面目な女子高生という組み合わせがユニーク。コンテストテーマである「タイムカプセル」が、世代の違う二人をつなぎ、物語を進めるアイテムとして存在感を発揮しています。<br />登場人物が自分の過去と向き合い、未来に向かって成長していく過程が丁寧な構成で描かれていました。