第4話

その「刀」破格につき
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2023/03/31 13:04
ミコトは恐る恐る木箱を開けた。
中には.....!!
月火  命
月火 命
「.......」
月火  命
月火 命
「......?」
木箱の中は「無」だった。
いつの間にか光柱コウチュウも消えていた。
ダリア
ダリア
「あ〜....そうね....
武器なら無いわよ」
月火  命
月火 命
「.....え....?」
ダリア
ダリア
「『無い』というか、
『見えない』と言うか」
ダリア
ダリア
「ミコト、刀をイメージして、
刀の柄を握りしめるイメージで...!」
ミコトは右手を下げ、左手を鞘、右手を柄に置く
イメージで空をかいた。

流石はミコト、こんな抽象的なヒントにも
不思議がらず、もう行動に出ています!
月火  命
月火 命
(イメージ....!)
光の粒が空中に飛んで、
その粒が左手と右手に集まり始めた。

粒は次第に鞘と刀身の形をとり始めた。
光り輝いていた粒は、どんどん金属や、木材の材質に近しいものになっていった。
鞘は鉛色をしており、柄は黒色で統一されている
特に華美といった感じは見られなかった。
唯一ある特徴としては、
刀身に焼き入れがされており。
「コメントを入れてください」
と焼いてあるだけだった。
月火  命
月火 命
「スッゴイ!カッケェ!」
ミコトは目を輝かせていた。
ダリア
ダリア
「よく出来たわ!」
ミコトは刀身の「コメントを入れてください」
が気になっていた。
ダリア
ダリア
「あ〜、分かるわよ?
ソレの意味でしょ?」
ダリア
ダリア
「ソレはネームプレートのようなものよ。
アナタが命名出来るの。
でも1回だけだから...
ちゃんと考えてね。」
月火  命
月火 命
「何にしよっかな!」
いやぁ、ミコトさんもメッチャ楽しそうですね!
まぁ、ネーミングが厨二ぽくならないか
心配ですね...
月火  命
月火 命
「ん〜...それじゃ〜〜あ」
月火  命
月火 命
宵断ヨイダチ!宵断良くない!?」
お!中々ですわね...
でもミコトさんならもっと
「ダークメア」とか、「○○の太刀」
とかやると思ってましたよ...
ダリア
ダリア
「いや...私に言われても...」
ダリア
ダリア
「....まぁ....!気を取り直して、
試し斬りと行こうじゃないの!」
ダリアは嬉しそうに言った。
ダリア
ダリア
「フフフ...この時の為に....
藁人形を持ってきているのよ」
ダリアは指をパチンッと鳴らすと、
ミコトと同じ背丈ほどの藁人形が
突如トツジョとして現れた。
何故、人型でやらせるのでしょうか...?
月火  命
月火 命
「分かった!やってみよう!」
まぁ、いいです...ファンタジーですもの...
月火  命
月火 命
「スゥ.....ハァ....」
ミコトは深呼吸をして、刀の柄をツカんだ。
今度は刀を鞘から引き抜き、
「宵断」といつの間にか焼き入れられた刀を
上に向けて両手で持ち、
右上から左下へ抜けるように刀を振るった。
刀はスルッと藁人形の肩から脇腹へ抜けた。
一切、突っかからず、
空を切るように刀には抵抗が無かった。
月火  命
月火 命
「....あれ....?」
ダリア
ダリア
「あら....?」
藁人形は確かに刀を通したハズでありながら、
その場で静止して、切った跡も無かった。
ダリアはそのまま藁人形に触れた。
ダリア
ダリア
「!?」
藁人形は、今切られたようにドサッと
地面に落ちた。
月火  命
月火 命
「良かったぁ....切れてたぁ...」
ダリアは驚愕している自分を落ち着かせ
ミコトに言った。
ダリア
ダリア
「それにしても、いい刀だわ!
ミコト!大事にしてね!」
月火  命
月火 命
「よろしくね〜!『宵断』〜!」
ミコトは犬を撫でるように鞘をさすった。
ダリア
ダリア
「色々あったけど...
今から街に行きますわ!」
ダリアを先頭にミコトは街へ、と歩を進めた。
この2日後、この世界の新聞の一面に
とある事件が載った。
『ノーマリア山が巨人に切られたように
右上から左下へ抜けるような切り口で
山崩れをおこした。』
という事件だった。
ノーマリア山というのは、
ミコトが藁人形を試し斬りする時に
向こう側にあった山であった。

自然的な山崩れなのか...
それとも....

次回!「平和『過ぎる』街」

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