〈回想(ホソクside)〉
〇〇が脱退した…
なんとなくそんな気はしてた…
僕は守れなかった…
僕はなにもできなかった…
〇〇はなにも悪くなかったのに…
それから、僕は複雑な気持ちのまま過ごしていた
それと同時に
るいがわがままばかり言うようになった
僕たちはそれをどうにかしようと
ときには厳しく、ときには優しく
たくさんのことを教えてあげた
るいのわがままはなくなっていった
るいはとても優しいいい子になった
でも、そのわがままがなくなってから
るいの元気がなくなった
僕たちはすごく心配した
るいはゆっくり話し出した
メンバーの顔は
驚きと申し訳なさとが入り交じっていた
すごく複雑な気持ちだったんだろう
そして最後にるいは
深々と頭を下げて謝った
メンバーは怒りたい気持ちが
あったと思う
でも、自分たちも悪かったと
るいだけのせいじゃないと
反省した
日本で共演したとき
みんなで反省している途中だったから
ナムはあの話題について答えられなかったんだろう
そしてるいもうつむいたまま
顔を上げようとしなかったんだろう
〇〇、本当にゴメン…
僕の頬を一筋の涙がつたった…
編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。