第31話

30 君 が 恋 し い .
510
2024/05/06 07:30
   和也 side














何事も無かったかのように迎える朝。


白くて柔らかい朝日を眺めながら小さくため息。




静かなこの空間には俺しかいない


目を覚ましたあと,みっちーと恭平と流星が

立て続けにお見舞いに来てくれた


特にみっちーがめっちゃ泣いてたなぁ、笑

俺,驚いたもん笑 あのみっちーが目ぱんぱんに

腫らしてるから. 聞いたところ俺が目を覚ました

ことを謙杜から聞けばすぐに駆け出して

泣きながら病院まで走ったらしいねん笑


なんか申し訳ないよなぁ、、




でもやっぱり年上2人が目を覚まさないから

喜びの中に不安と悲しみが混ざってるのはみて

すぐにわかる。 俺もホンマに不安やった




〜回診の時間〜













ナース
「大橋さーん,回診です 少しベッドに仰向けになってもらってもいいですか?」


和也
「あ,はい…いつもありがとうございます」


ナース
「いえいえ, でも本当に良かったです。
最近大橋さんが女性だとかなにわ男子が嘘をついているだとか,色々言われててその時点で結構メンタルキツかったと思うのに,追い打ちをかけるように、地震と火災で重症をおってしまったから…」



和也
「……そ、そうですね、、
…あの,丈くん、藤原丈一郎と西畑大吾は、」


ナース
「あぁ,そういえば、藤原さんが今日ICUから一般病棟に移るらしいんですよ〜!」



和也
「……え!!丈くん,意識取り戻したんですか…!?」


ナース
「…まだ取り戻しては無いの.でも,峠は超えたからって院長先生が…」


和也
「そうですかッ… 」



ナース
「大橋さんは個室になってるけど,藤原さんは隣の複数人いるお部屋になってるから,毎日様子見てあげて下さいね」














まだ 起きてないんや……


はよ起きろや、遅刻すんで、?なにふぁむが

ずっとずっと丈くんを待ってるんやで…


とりあえず,丈くんがお隣の部屋に来たら

久々に顔でも覗こうかな













夕方3時。 隣にある大きな部屋に入る


1番奥の1番すみっこに丈くんが寝ていた。

俺はゆっくり丈くんの元へ行き,久しぶりに

愛おしい人の顔を見た


たくさんの点滴と機械に繋がれた丈くん。

だけど酸素マスクから見える顔は穏やかで。















和也
「……丈くん,もう夕方やで. いつまで昼寝してるん」













なんて呼びかければ,いつものように起きるような

気がして でも丈くんが目を覚ますことは無かった


たまたま病室には俺と丈くん以外誰もおらんくて

俺は誰にも見つからないように





丈くんの首筋に "俺のモノ" っていう証を残した


こうすれば,目覚めたあとも丈くんが誰のものに

ならんやろ、











和也
「っ…はぁ、丈…」













潮風が部屋に入り込み カーテンが踊る



まるでこの世界に2人しかいないような静けさ


今すぐにでも触れたい. その視界の中全てを

俺で埋めつくしたい.






だって俺, 愛してるから






他の誰でもない 丈くんをただ, 愛してる












丈くんの手にもう一度キスを落として

俺は自分の病室への戻った










丈一郎
「……ホンマに、アホやなアイツ…笑」
















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