白い光が自分たちを照らしていることに
気がついたのは、次の瞬間のことだった。
ッまぶし…
光の隙間から見えたゲームマスターは、
相変わらずの悪魔の笑みを向けていた。
……あ…れ……
光を感じなくなり、恐る恐る目を開けるメンバーたち。
一瞬の出来事だった。
世界が歪んだと思えば、光に包まれた。
そして今。
シェアハウスの一室にいる。
この一瞬で飛ばされたようだ。
……ここ…
…シェアハウス……?
……戻れ…たの……ッ?
えッえとさんは!?
え……ッ
気がつくとメンバーの腕の中から、
えとの姿が消えていた。
ッえとさん…?
嘘でしょ……ッ
なんで……
戻れたのに…ッ
ッえとさん…ッ
えとさん……!
ホントにもうみんなには
会えないんだ…
…あれが……
…ッお別れだったんだ…
元の生活に戻れた。
が、心は元には戻らない。
失ったものの方が多かった。
ッやだやだやだ!
みんなに会いたい……ッ
こんなの嫌だ……ッ
なんなんだよアイツ……ッ
何様のつもりだよ……ッ!
怒りを露わにするメンバー。
仲間を失ったのは、大きかった。
ッもうこんなの……
生きていける気がしない……ッ
……いっぱい…失った……
…みんな……
……もう…ッ
会えない……ッ
酷すぎる……ッ
会いたいよ…ッ
ガチャッ
……え?
みんな……ッ!!!
……ぇ?
……な…なんでるなさんが……ッ
…追放……したのに…ッ?
ッみんなこそ……!!!
無事だったんですね……!!!
るなは泣きながら、
まだ絶望の表情をしているメンバーに抱きついた。
おわっ
わ……ッ
……な…なんでるなが
いるの…?
……ッそれはこっちのセリフ……ッ
ここるなの部屋ですよ……ッ
言われて初めて気がつく。
全体的に水色で統一されたこの部屋は、
他でもないるなの部屋だった。
ホントだ……
ッでもなんで……
ホントになんで……ッ?
る……るなは……ッ
…しッ死んじゃったんじゃないの……?
そ、そうだよ……ッ
るなのこと追放しちゃって……ッ
それなのに……
るなたちは死んでないです……!!!
……え?
全員シェアハウスにいますよ……!!!
みんな……ッ
元気です……!!!
ほ、ホントに……?
ホントにみんな……いる?
ゆあんが震えながら答えを求めたと同時に、
メンバーたちの声が聞こえてきた。
じゃ……
じゃぱぱたちおる……!!!
ホントだ……ッ!!!
いる……ッ!!!
よかった……!
無事だったんだ……ッ!
……え?え?
なんでみんないるの……ッ?
追放は?襲撃は……?
あったんだよね……ッ?
……夢……?
夢じゃないです……ッ
私たちは確かに
人狼ゲームやってました……ッ
……ッでも……!!!
みんな無事に帰れたんです……!!!!
元の生活に戻れたんですよ……!!!
ッ待って……
ここでやはり違和感に気づくどぬく。
足りなかったのだ。
ッえとさんは……?
……え……
みんなと一緒じゃ……
………………あれ…?
ッやっぱり……
元になんて戻ってない……ッ
えとさんは帰ってきてないんだ……ッ
再び、絶望の表情を浮かべるゆあんたち。
期待した分、落ち込み度は大きかった。
なんで……?
えとさんはじゃぱさんたちと
一緒にいないの……?
あの場にいなかったメンバーには、
訳が分からなかった。
当然だ。
途中でえとさんのこと
追放したん……?
えとさんは
俺と同じ人狼やってんで?
ッ追放なんてしてない……!
ッでも……
でも……ッ
……ッ
なんでなんだよ……ッ
11人いるのに……ッ
こんなのって……ッ
12人じゃないと……
カラフルピーチじゃないよ……
……えとさん……
…………帰ってきてよ……
な、何があったんですか……?
えとさんがこの場にいないのには
理由があるんですか……?
ッあるよ……
もちろん……
理由……
……ぇ……?
……ッえとさんは…
…ゲームマスターに殺された……ッ
……は?
……何言ってん……
……ころ……された…?
……ッ
えとさんが……役職を
放棄したんだよ…ッ
…もうみんなを殺したくないって……ッ
そしたら……ッそしたら……ッ
ッなんで……?
……ゲームマスターは……
…元の生活に戻れるって……
あいつにとっての「元の生活」は……ッ
俺らの思うやつとは違った……ッ
……ッ
そんなの……
酷いですよ……
なんだよそれ……
裏切りじゃねぇか……
アイツが……
勝手に始めたくせに……ッ
11人全員、納得がいかなかった。
1人足りないなんて、信じたくなかった。
ッ嫌だ……嫌だ嫌だ嫌だ……ッ
えとちゃん……ッえとちゃん……ッ
うわぁぁッあぁぁ……ッ
その日は一日中、るなの部屋に泣き声が響いていた。
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