第2話

3
62
2024/04/26 23:42
↑ 2話
  かれこれ話し始めてから10分は経っているようだ。
ずっと話しているからか、相手も敬語が外れたようだ。話していると言っても、俺は適当に相槌を打ってるだけだがな。
あなたの相手の男の名前
なんか、偏見であなたはもっと大人しい感じだと思ってたけど、全然そんなことないや
  いきなり違う話題を振ってきた。さっきまでは自己紹介だったり学校生活への不安とかどうでもいい話題ばかりだったけれど、俺への偏見を言ってきた。
あなたの相手の男の名前
むしろ、生意気
  目の前で悪口を言われたようだった。
にやにやしながら言うものだから、少しだけ、ほんの少しだけ腹が立った。
それに、にやにやしていても顔がいいから半分八つ当たりだな。
あなた
……生意気とはあまり言われたことないけど、「思ってたのと違う」はよく言われる
あなたの相手の男の名前
はは、だろうね
  目を細めて笑うあなたの相手の男の名前。イケメンに笑顔は凶器だろ……。
前髪がちょっと長いからといって全部が全部同じような陰キャばかりではないからな。陰キャにも種類があるんだよ。


……っあ、やべ、そろそろだ。
あなた
じゃ、先に戻ってる
  戻るという言葉に反応したのか、あなたの相手の男の名前は驚いた顔をする。
あなたの相手の男の名前
えっ、ずっとサボるんじゃないの?
あなた
さすがにずっとは怪しまれる。そろそろ先生が探しに来る時間だ
あなたの相手の男の名前
そこまで分かるんだね。さすが、サボりの天才だ
  なんて茶化してくる。
でも、ひとつ訂正をしておこう。
あなた
俺はサボっているんじゃない。休んでるんだ
  「サボり」とは人聞きが悪い。だから、「休んでいる」ということにしておく。言い訳をするとあなたの相手の男の名前は吹き出す。
あなたの相手の男の名前
っふふ、そっか、それはゴメンな。休んでいるんだね?
あなた
そうだ
  この言い訳を信じてくれていないようだがまあいいだろう。
あなた
お前は戻らないのか?転校初日でサボるヤツとかそうそういないと思うぞ?
あなたの相手の男の名前は少し考えるような素振りをしてから、こう言った。
あなたの相手の男の名前
うーん、もう少しだけあなたと話していたかったけど確かに俺、転校初日だ
  話していたかっただなんて、顔が良くてスタイルが良くてさわやかで顔がいい(二回目)のに加えて人たらしなのか。これはモテるな。

うんざりとした顔を向けると慌てたように、
あなたの相手の男の名前
いや、ちょっと忘れてただけだし!?
  転校初日じゃなかったら普通にサボるのか?まさかこいつも常習犯か……?
あなた
早く戻るぞ。そろそろほんとに探しに来てサボっ……休んでいるのがバレる
あなたの相手の男の名前
そうだね、戻ろうか
  危ない、サボってると言いそうになった。あなたの相手の男の名前がちょっと笑っているのは気づいていない振りをする。
俺たちは立ち上がって一緒に教室に戻ることにした。
あなたの相手の男の名前もトイレに行くということにしてここに来たらしい。だから、たまたま会ったということにして、一緒に教室に入る。
作戦は完璧。あとはいい感じに言い訳を作るだけ!

プリ小説オーディオドラマ