第36話

好き!
50
2018/08/24 15:40
花火がある駅に到着した。

着々と時間が過ぎていく。

もう少しだけ、もう少しだけゆっくり進んで勇気が足りないから。

花火がはじまるまで時間はある。

だけど、短く感じる。
れん
れん
屋台見ようぜ?
しょうま
しょうま
そうだな。
あやか
あやか
見よ見よ!
ゆず
ゆず
さんせー!
あたし達は屋台を見に行った。
ゆず
ゆず
あやか!りんご飴!
あやか
あやか
ほんとだ!ゆず、食べる?
ゆず
ゆず
うん!
あやか
あやか
じゃああたしも!
あやか
あやか
すいま...
しょうま
しょうま
すいません!
りんご飴小さい方2つください
れん
れん
りんご飴小さい方2つください
え?ハモった。

いや、そこじゃない
屋台のおじちゃん
はいよ。
2つずつね
しょうま
しょうま
ありがとうございます。
しょうま
しょうま
はい!あやかの分
れん
れん
ゆずの分
あやか
あやか
え?
ゆず
ゆず
え?
思考が2人とも止まっていた。

りんご飴を食べようとして、買おうとしたところにすっと現れた2人の影
しょうま
しょうま
だーかーらー
奢り
あやか
あやか
うっ受け取れないよ!
奢ってもらってばっかりだし。
しょうま
しょうま
それは聞き飽きたよ!
あやか
あやか
わ!
しょうまくんはあたしの手を取り、りんご飴を1つ握らされた。
しょうまくんに握られた手が熱くなる。
しょうま
しょうま
はい!もうあやか触ったー!
最後に触ったのあやかだからそれはあやかの!
あやか
あやか
笑笑
ありがとう😊
4人はカリカリりんご飴を食べながら歩いた。
れん
れん
そろそろ場所取りに行こっか
しょうま
しょうま
そーだな
4人で歩いていた。

そろそろ花火も始まってしまう。

待って!もう少しだけ...







ヒュ〜...パーン!

花火がはじまってしまった。
れん
れん
きれい!
ゆず
ゆず
そうだね
次々と上がる花火にだんだんと勇気がなくなってきた。


どうしよう。

言えない。
しょうま
しょうま
喉乾いたから、飲み物買ってきていいか?
れん
れん
おう。いいよー
しょうま
しょうま
ごめん。迷ったらあれだから、あやかも来てくれない?
あやか
あやか
あ。うん。いいよ
どうしよう。

二人っきりになってしまった
しょうまくんが先に歩く。

自動販売機があるのは階段を降りたところにある。

なのに階段を降りなかった
あやか
あやか
しょうまくん?
自動販売機あっちだよ?
しょうま
しょうま

あーいいんだよ。2人にしてあげたかっただけ。
あやか
あやか
そーなんだ。
どうしよう。

今しかない。

伝えなきゃ。
今日しかチャンスがない

そう思っていたら口が勝手に動き言葉を発した

あやか
あやか
好き!

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