そして三人で話をしていた時に気がついた
それを聞けば皆はもう何もせず放っておけばいいと思うかもしれない
だが戸籍上ではあの女は母、あの男は戸籍どころか血縁上の父親、そしてあなたの麻子も腹違いとはいえ姉である
アイツらが何かしでかした時こちらに飛び火する可能性がないとは言い切れない
そしてそもそももう戸籍上だけであったとしても家族でいたくない
あなたの麻子には無関心で私のことを嫌いまくる父、國木田信治郎
私を見る度に罵声を浴びせて私を殺そうと企んでいる義母、國木田舞香
そしてなにより
私を見下して優越感に浸ってる異母姉、あなたの麻子
そうすれば縁談のための道具目的のためだけに振り回される必要もない!!
強いコネがある程度ないとアイツらからすれば赤子の手をひねるようなもんだからね
そうして話し合いをするために手紙を出して養子縁組解消を希望すること、そしてそれに関する話し合いの日付をいつにするかの相談の手紙をあの家に送った
これで縁を切れるし正式に私は実母の苗字である出雲を名乗れる、あと少し頑張るぞと心を奮い立たせていた
だが、ここから騒ぎに巻き込まれるなんて思ってもいなかった
私も少し考えが足りなかったと思う
編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!