『あなた…ごめんね…僕が弱いせいで』
(何を言ってるの!?弱くなんかない!)
『いいんだ、もう…僕は負けたんだ』
(…まだ負けてないよ…!私も協力するから!)
『フフッ…ありがとう。
けどもうこれ以上は無理みたい』
『じゃあね…愛してるよ…あなた…^^…』
(待って!!まだ行かないで!!!)
(一人にしないでよ!!!ねぇ!!!)
(ずっといっしょにいようよ!!!)
(やだ!!!!!)
そこで目が覚めた
目にはまだ新しい涙が
頬には涙の乾いたあとが残っていた
周りを見渡す
ついさっきまでそばにいた人が居なかった
本当にいなくなっちゃったのか
昨日のことは…夢だったのか
すごく不安だった
prrrrr…prrrrr…
(お願い…出て………)
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で、出た…本当だった…昨日のことが…
そう言って涙を拭いた
私が電話をかけることは珍しい事ではないが
こんな夜中に電話をかけることは今まで一度も無かった。
ここで今までとは違う何かをしなきゃ
そう思った
あなたはすぐに夢の中へと入っていった
12/2
まだ少し眠い目をこすりながら少し目を開ける
そう言ってオンニは私の部屋を出ていった
夜中のことを思い出し携帯を見る
まだ電話は繋がっていた
耳を当てると電話の向こうでスースーと規則正しい寝息が聞こえた
まだじょんくんは寝ているんだ…
そんなことを思ってると
なんて会話が聞こえた
みんなの会話を着替えながらゆっくり聞いていた
すると…
ごめんよじょんくん。私から電話かけたのにこんなこと言われちゃって…ㅎㅎ
その声にびっくりして携帯を落とした
ガタンッ
朝だっていうのに電話の向こうはガヤガヤして楽しそうだった
じょんくんが起きたみたいだった
そう言って携帯を見せたと思う
【はーい】
ガチャ
メンバーたちは部屋を出ていったらしい
そう言って電話は切れた
久しぶりにメンバーたちの声を聞いた
あの日からメンバーには片手で数えられるくらいしか会わなかった
というか会えなかった
じょんくんだけがいない空間。
会ったら泣きそうで…みんなに心配かけたくなかった
テレビだって毎日みてたけど見なくなってSNSだってファンのみんなとの一番の交流場所だから毎日開くようにはしていたけれどあの日以来1週間に一度開くか開かないかぐらいだった
もう一度会えるなら…なんて思っていたけど
まさか現実になるなんて…今は楽しいのか…楽しくないのか…やるべきことをできるのか…もしできなかったら………そんなことを考える
ここでオンニに言うべきなのか…
確かに言われた通り私は誰にも話していない
3ヶ月未来から来たこと
未来で起こったこと
何も話していない
誰にも頼れないんじゃなくて
頼りたくないっていうのが本音
迷惑がかかるから…
心配させたくないから…
そんな思いでみんなに隠し事をしている
本当にそれが正解なのか?
気を使った行動でも周りの人は
頼られてないって自身を失くしちゃうんじゃないかな?
そうなったら………
私は閉じていた口を開いて全て話した
未来から来たことも
未来で起きたことも
全て包み隠さず話した
いつも明るくて笑顔なオンニが珍しく眉間にシワを寄せた
その後仕事が忙しくてなかなかオンニとは話すことが少なかったけどでもずっとオンニは私を見ていてくれた。目が合うと笑ってくれた。じょんくんを失いたくないのは私だけじゃないんだ。そう思った
仕事が終わってクタクタで帰ると
そう言ってオンニは私に携帯を渡した
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そうあなたは今カムバックの準備中
あなたは作詞・作曲ができるから作詞は一人でやる。夜遅くに部屋のライトの明るさを少し落としてゆったりとした洋楽を聞きながら暖かいココアを入れてゆっくり考える
あなたはその時間が大好きですべてが自分のものになった気分になれる。
カムバ日は2/18。丁度あの日から2ヶ月後
これはわざとじゃなくてもう12/1の時点で決まっていたことだった。あれから作詞が進まなくなっちゃってギリギリになった過去がある。だからこそ今のうちにやるのだ。
あなたは主に恋愛応援ソング・失恋ソングが多い。恋愛に関してはそんなに経験はないがちょっとでもみんなに共感して貰えればと言う事で書いている。だから過去のあなたがカムバックで用意したのは恋愛に関する曲だった。自分は心も体もボロボロになりながら人のためにと一生懸命書いた。そんな曲が売れるわけがないと思っていたけど想像以上に売れた。いつもよりかは遥かに少ない。けど自分の音楽を待っていてくれる人がいる事を改めて思い知った
だからこそ今こうやって作詞を行う。人が必要とする音楽を提供する。それが仕事だと思っていた。
編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。