駿佑side
クラスの男子には誘われた
けど行きたくなかった
去年クラスの男子と遊びに行ってぜったい言われたこと
"あなたの下の名前ちゃんってどうやったら落とせる?"
そんなの、おれがいちばん知りたい
どこ好きなん?って聞けば最初に出てくるのは"顔"
ほんまに好きなんて思えへんくて、
正直イライラする
そんなこと考えとったら
何年間も、ずーっと大好きやった、あの声が聞こえた
"駿には私がおる"
うれしいのに、喜べへん
そんなこというんやったら、
はよおれのもんになってや、
けっこうあっさり帰ってまうんよな、
いっしょに帰る約束せんかったら
おれが帰ろ言わへんと、あなたの下の名前っておれに構ってくれへんのかな、
ほんまにそうやったら、おれめっちゃかっこわるいやん、笑
拓哉side
はあ、彼女おらんおれは孤独で寂しいわ、笑
こういうとき、ほぼ毎回あなたの名字先輩のこと考えてまう
今頃、道枝先輩といっしょにおったりするんかな、
道枝先輩のバ先おるかな、行っても、ええよな、
いっつも、おれが会いたい思ってるときに
先輩は現れる
うれしいけど、心臓バクバクすぎて、先輩にまで聞こえてまいそう
編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。