第4話

カミングアウトー4
92
2022/11/28 08:00
いつものようにお風呂に入る。
なるべく鏡を見ないように。
最低限のことだけで済ます。

終わったらかえでから多分LINEが来ているからそれを返さなきゃいけない。
なんで学校以外でも友達付き合いをしなきゃいけないのだろうか。
寝る時間だ。

最近布団でよく考えていることがある。
りゅうに性別のことを言おうか迷っているのだ。
りゅうとは幼なじみだ。そして唯一自分の素を出すことができる人だ。
だけど、りゅうは僕のことはボクっ娘だと思っており、女の子として接してくる。
それをどうにかしたいのだ。
言ったらりゅうは僕から離れていくかもしれない。
けれどお互いいろんな相談をしてきて、それが原因で仲が悪くなったことは一度もない。
言うべきなのか、それとも言わないべきなのか。

...とりあえず言ってみようかな。
ずっとこれについて考えているのも疲れるし。
言わなかったらモヤモヤする気がする。
言ったらたとえりゅうが僕から離れて行ったとしてもすっきりはするだろう。
急だけど明日言おうかな。

...そうしよう。
下校時間がやってきた。
奇跡的に今日はかえでが休みだった。
風邪をひいたらしい。
りゅうとは部活が同じだから、帰りに言えばいいか。
緊張するな...
りゅう
なあ、あなた
話しかけてきた!?
あなた
ん?
りゅう
今日部活ないらしいよ。
あなた
え、なんで?
りゅう
先生たち、会議があるらしい。
あなた
なるほど。
りゅう
じゃ、またな。
あなた
っ!ちょっとまって!
話さなきゃ。
りゅう
! おぉ、なに?
あなた
自転車置き場まで一緒に行こう?
りゅう
ん、いいよ。行こ。
あなた
やったね。
テクテクテク
りゅう
...で?何か話すことがあるんじゃなくて?
あなた
え!?なんでわかったの?
りゅう
だって普段一緒に帰ろ、なんて言わないじゃん。
あなた
え、いや、そうだけどさ。今日はかえでがいなかったし?1人じゃ暇だから?誘ってやったんだし。
りゅう
ふふっ、嘘バレバレ。
.........
あなた
ねえ、りゅう
りゅう
なに?
あなた
もし僕がお悩み相談したいって言ったら、なんて言う?
りゅう
いや、別にいいけど
あなた
あ、いいの?
りゅう
うん、だって今まで何回もお互い相談してきたでしょ?今更聞くことじゃないじゃん。
あなた
確かにそうだね 笑
あなた
...じゃあ、するね。
りゅう
うん。

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