静寂だった電車内に、突如響いたアナウンス。
甲高い声色から、声の主が狂っているのは
容易に想像できる。
急に声のトーンが下がり不審に思うのもつかの間。
爆発音が鳴り響き、大きく揺れる。
車内は乗客たちの悲鳴とざわめきで埋め尽くされる。
与謝野さんは3つの選択肢を出す。
此の儘大人しく死ぬか。
乗客全員と飛び降りるか。
与謝野さんは口角を少し上げる。
私もニヤリと微笑んで云った。
与謝野side
一般人も乗ってる白昼の列車に自爆紛いの脅迫。
ポートマフィアの謀にしてもえらい覚悟…
否、執着だね。
一体どんな奴が___
一つ前の車両に足を踏み込むと、
足元に転がってきた之は…檸檬?
瞬間目に映った強烈な閃光。
鼓膜が破れそうな程の激しい爆発音。
…爆弾だったか。
車内は真っ黒焦げで硝子が散乱している。
心地悪い臭いが乗った煙の中で、
一人その場に倒れていた。
痛みに耐えつつも、ゆっくりと立ち上がる。
そう云って此方を見つめる男は梶井基次郎。
ポートマフィアの構成員だ。
此奴の発言がどうも気に入らなくて、
一歩近寄って問い掛ける。
梶井は檸檬を拾い上げ、怪しげに笑った。
体はボロボロ、額からは血が流れている。
しかし目線は梶井から離さない。
長いですがずっと与謝野さん目線…
次回もこんな感じになると思います。
しばらくの間は原作沿い展開が続くと
思いますが、もう少しなのでゆっくり
見守っていてください。
ではまた次回!おつなろ~
編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。