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第1話

HAN JISUNG過去編 #1
768
2024/03/08 14:59
-本編から約1年前-
-電車-
僕はハン。ごく普通の高校1年生だ。
小学校でいじめられて、中学校からは他人にできるだけ合わせている。
いじめられていたことは誰にも言っていない。
今日も友達ヒトに、
モブ男
モブ男
ジソンって、全然喋らねぇよな。
モブ子
モブ子
だよね〜。ハンくんって自我がないっていうか…笑
Han
Han
そ、そうかな…?ㅎㅎㅎははは…。
と図星をつかれ、少し戸惑ってしまった。
Han
Han
………はあ
ため息を吐きながら僕は電車に揺られる。
意見を全然言えないのは分かっている。
でもどうしても意見を言おうとすると、小学校の頃のトラウマが僕の心を突き刺してくる。
Han
Han
((自分は友達ヒトの言うことしか聞けない無能なやつなんだ…。))
そうして僕はいつもの駅を降りた。
???
…ふーん。
-家路-
遅くまで学校にいたからだろう。空が真っ暗だ。
Han
Han
〜〜〜〜♪[Alien]
やっぱり僕は音楽が好きだ。たまに1人で作業をして曲を作っている。
 
…もう学校なんて行かなくてもいい気がしてき…




ガンッ!!!!




Han
Han
!?!?
なんだ?何が起こった?目と鼻の先には潰れた缶が一つ、壁に突き刺さっていた。

ふと横を見ても、暗闇が広がっているだけで何もない。

いったいどこから……?
???
ねえ。
Han
Han
っ!?!?
とっさに頭を右に向けると、そこには僕よりも少し背の高い青年が立っていた。
年上なのだろうか…顔立ちがとても綺麗だ。
???
お前、いい目してるな。
青年はそう言ってニヤッと笑い、缶を壁から取った。
Han
Han
はえ…?き、急に何ですか…ってか誰なんですか…っ!
???
え?ああ…
Leeknow
Leeknow
俺は“リノ”。まあそこら辺で“仲間”を探しててな。
電車に乗っていたらお前を見つけたんだ。
Han
Han
“仲間”…?いやっ、急に言われてもですし、
僕なんか自分の意見すら言えない出来損ない…だか…ら…
Leeknow
Leeknow
いや、俺にはわかる。お前は俺たちの“仲間”になる運命なんだ。
電車にいたとき一目で分かったよ。他人ヒトとは違う目をしてるって。
このリノという人は僕の話を全然聞いてくれない。僕の苦手なタイプかもしれない。






…でも少し僕のことを理解してわかってくれている気もした。
Leeknow
Leeknow
面白い所に連れてってやるよ。
リノって人は、木のこん棒を軽く振り回しながら言った。
Han
Han
面白い…所…?
Leeknow
Leeknow
そう。“Stay”ってとこ。
お前、自分を隠してるだろ?多分昔に何かあったな?
Han
Han
それは……
確かに、自分は友達ヒトに引っ張られてばかりで、自分を隠している。







Leeknow
Leeknow
“Stay”なら、お前自身を名一杯出せるぞ。






Han
Han
自分自身を…か……。
少し、“Stay”って所に興味が湧いてきた。
Leeknow
Leeknow
改めて聞く。俺たちの“仲間”になって、“Stay”に行くか?








Han
Han
……………うん。
Leeknow
Leeknow
…よし。行こう。

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