第11話

2月23日
34
2022/03/29 12:24
(なまえ)
あなた
蘭ちゃん
神崎蘭
神崎蘭
何ですか?
(なまえ)
あなた
久しぶりに蘭ちゃんのお菓子食べたいな
神崎蘭
神崎蘭
しょうがないですね
神崎蘭
神崎蘭
『ピポット』
彼女がそう言うと、お菓子が現れた。
(なまえ)
あなた
え?
(なまえ)
あなた
いっつも、これで出してたの?
神崎蘭
神崎蘭
そうですよ?
(なまえ)
あなた
いや、あの
神崎蘭
神崎蘭
(なまえ)
あなた
手作りしてくれない?
約2日間、蘭ちゃんが言ったことで一つ分かったことがある。
それは、俺が数日間で死ぬこと。
神崎蘭
神崎蘭
まぁ、いいですけど
(なまえ)
あなた
見たところ食材とかなさそうだし、買ってくる?
神崎蘭
神崎蘭
いや、大丈夫です
神崎蘭
神崎蘭
『ブゼール』
また何かの呪文を言うと、材料が現れた。
(なまえ)
あなた
これは、もしかして…
(なまえ)
あなた
クッキー?
神崎蘭
神崎蘭
そうです
神崎蘭
神崎蘭
作ったことないので上手くできるか分かりませんが、頑張ってみます
(なまえ)
あなた
うん
ありがと
連れてこられた時から違和感を感じていたが、これのことだった。
蘭ちゃんが冷たい。
でも、恋心は隠せなかった。
側から見ると自分だけ空回りしているように見えるが、俺はそう見えない。
全て、自分のいいように受け取っている。
材料を混ぜている蘭ちゃんも絵になる。
そういえば、スマホはまだポケットにあったはずだ。
カシャっと写真を撮る
神崎蘭
神崎蘭
な、何してるんですか!
(なまえ)
あなた
写真撮っただけ
神崎蘭
神崎蘭
まぁ、いいんですけどね
どうせ、あと数日で消える命ですし
あっ、
蘭ちゃんが口を手で押さえている。
しまったといったように雰囲気が変わった。
神崎蘭
神崎蘭
今のは、忘れてください
(なまえ)
あなた
蘭ちゃんが忘れてって言うんだったら忘れるけど、本当のこと言ってほしいな
小さな願望を口にする。
神崎蘭
神崎蘭
いいんですか?言って
神崎蘭
神崎蘭
言っても無駄だともいますけど
(なまえ)
あなた
いいよ
だって、あと数日で死ぬんでしょ?俺
神崎蘭
神崎蘭
じゃあ、クッキーを食べながら少し話しましょう。
蘭ちゃんが何かを言ったがそれが何なのかは聞こえなかった。
甘い、クッキーの匂いがする。
神崎蘭
神崎蘭
上出来かも…
(なまえ)
あなた
美味しそう
(なまえ)
あなた
いただきます…!
サクッ
(なまえ)
あなた
美味しい…
(なまえ)
あなた
あっ、そうだ
(なまえ)
あなた
包丁と、イチゴ出してくれない?
神崎蘭
神崎蘭
いいですよ
さっき言った呪文と同じ呪文を唱えた。
(なまえ)
あなた
ちょっとキッチン借りるね
神崎蘭
神崎蘭
は、はい
神崎蘭
神崎蘭
何をする気ですか?
(なまえ)
あなた
お菓子作ろうと思って
神崎蘭
神崎蘭
下手そう…
(なまえ)
あなた
普通に傷つく
それ
(なまえ)
あなた
できたー!
神崎蘭
神崎蘭
うわぁ…おいしそう…
(なまえ)
あなた
パンケーキしか作れないんだよね、俺
神崎蘭
神崎蘭
意外です…
神崎蘭
神崎蘭
い、いただきます
(なまえ)
あなた
どう?美味しい?
神崎蘭
神崎蘭
美味しいです…
イチゴの酸味がよく効いていて
(なまえ)
あなた
でしょ!
(なまえ)
あなた
それで、具体的に俺はいつ死ぬの?
カシャンと皿にフォークを置いた。
神崎蘭
神崎蘭
あなたは
神崎蘭
神崎蘭
__月__日__時__分__秒_____によって殺されます。死因は______です。
重要なとこだけカットされたような感じだった。
(なまえ)
あなた
蘭ちゃん本当に言った?
神崎蘭
神崎蘭
言いましたよ
神崎蘭
神崎蘭
だから言っても無駄だと言ったじゃないですか
(なまえ)
あなた
書いてもらっていい?
神崎蘭
神崎蘭
それも無駄ですよ
(なまえ)
あなた
何で?
神崎蘭
神崎蘭
字が滲んでしまうんです。
神崎蘭
神崎蘭
神様が妨害するんですよね
(なまえ)
あなた
え、
(なまえ)
あなた
神、様が?

プリ小説オーディオドラマ