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第1話

夏の炭酸。
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2023/09/04 13:46
初恋の音がした。





















ビー玉を落とした時のよう、



終わりの想像ができない、自由で難しい発見。






















貴方の視線は一体どこに向けられているのだろう。






















まるで海だ。


風向きは変わり続け、


僕はただようばかりの海月。

















貴方が変われば、僕も変わってしまう。


















忘れられぬ心がけは、


優しさが消えぬ貴方からの声は、


僕だけが覚えている、それだけである。


















貴方から見えている僕は、


いつも通りの日常の、気にも留めない数行で。
















一瞬の出来事が、


僕の心の数十センチ。


たった数行書き換えるだけで、


味気のない日記が小説になった。



















終わった天気は雨。


貴方の笑顔は何時もより少し輝いていた。


結末は知っているはずなのに、


微かに残ってしまう感情。






















炭酸が抜けていく、夏の日のラムネ。

















飲み終わった瓶のよう、




君はビー玉、







僕は数ミリ余ったラムネのようだった。

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