今日は、
藍沢の四十九日だった、
だが、いつもと何一つ変わらない
みんな忙しく動き回っている。
だが、誰1人として藍沢のことを忘れたわけではない。みんな心のどこかで藍沢のことを考えていた。
藍沢耕作という人間は
どれだけ偉大で、
どれだけ影響力があったのか、
それは誰にもわからない。
藍沢は、素直に周りとの時間を大切にしたから他の人よりも後悔少なく、この世を去ることができたのかもしれない。これがみんなからかくれてこの世を去ったらどうなっていただろう。
たくさんの人間が後悔しただろう。
藍沢の場合はラッキーだったのかもしれない。
だが、この翔北救命センターにおいて
欠かせない存在であったことは確かだ、
あの日のことは誰も忘れず
みんなの心のなかに刻まれていることだろう……
白石が職場で藍沢を使いだした本当の理由、
それは……
編集部コメント
引きこもりのおじさんと真面目な女子高生という組み合わせがユニーク。コンテストテーマである「タイムカプセル」が、世代の違う二人をつなぎ、物語を進めるアイテムとして存在感を発揮しています。<br />登場人物が自分の過去と向き合い、未来に向かって成長していく過程が丁寧な構成で描かれていました。