元貴はこのあと、別の局の音楽番組の仕事が入ってるから…と言ってまた仕事に向かった。
私は衣織を家によんで、スプラッシュがこれから出るであろう、生音楽番組、カウントダウンTVを見ることにした。
私は衣織に真っ先に左手薬指の指輪を見せ、結婚しようと告白された事を伝えた。
と、喜んでくれた。
なるほど、そこまで考えていなかった…私は改めておもった。
今でさえすれ違いの毎日が続いているのに…
そんな事を考えているとテレビにスプラッシュが出てきた。
衣織がちゃかすように言った。私は、何だか恥ずかしくて元貴の姿を正視出来ないでいた。
私は布団の中で、目を覚ました。もう、朝かぁ。
隣りには、元貴がぐっすり眠っていた。
衣織が帰った後、そのままソファーで眠ってしまった私を元貴がベットに運んでくれたらしい。
しかし、昨日は大仕事で疲れたんだね。無邪気な顔をして眠る元貴の顔をずっと見ていたい気分だった。
昨日、指輪をもらったことがまだ、しんじられなかった。
夕方、元貴が目を覚ましたので、私達は近くのちいさな神社に初詣にいった。
大きな神社へ行ったらまたファンにバレた時怖い。
2人でお賽銭を入れてお祈りした。
元貴は意地悪そうに言った。
編集部コメント
引きこもりのおじさんと真面目な女子高生という組み合わせがユニーク。コンテストテーマである「タイムカプセル」が、世代の違う二人をつなぎ、物語を進めるアイテムとして存在感を発揮しています。<br />登場人物が自分の過去と向き合い、未来に向かって成長していく過程が丁寧な構成で描かれていました。