第4話

メッセージ
73
2020/08/03 07:34
神楽 優
神楽 優
なぁなぁ!
友人の優が話しかけてくる。
無視しよ。
だが、優が目の前にスマホを突きつけてきた。
如月 樹
如月 樹
ったく。なんだよ。
スマホに移されていたのは、近くの崖にいるあなた。
如月 樹
如月 樹
なんで…
優が「はぁ」と呆れたようにため息をついた。
神楽 優
神楽 優
これ、学校のホームページに投稿されてた。
俺達の高校はホームページがあり、その学校の生徒だったら誰でも投稿出来るというシステムがあった。
その投稿にはあなたが崖にいる写真と、メッセージが載せてあった。
「午後4時 如月くんを待っています。あなたより」
どういういうことだよ。
あなたは俺のことを「如月くん」なんて言わない。
そもそもなんでこんな所にいるんだよ。
しばらく考えていると、前から「あのさぁ!」と大きな声が聞こえた。
声の主は優だ。
神楽 優
神楽 優
もう3時50分だぜ。行ったほうがいいだろ。
時計を見るとそうだ。
正直、行くかどうか迷った。
これは本当にあなたなのか。
写真はあなただが、メッセージは…
すると後ろから背中を強く押された。
神楽 優
神楽 優
行けよ。
いつも優しい優があんなに感情的になるのは初めて見た。
後ろで担任の声が聞こえた気がした。
だが、そんなの無視して俺はあの崖へと向かった。
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