相変わらず綺麗な洗面所に目を奪われてしまう
🤍💭 凄いなぁ…有難い。
…と思いながら洗面所を見てみると、1人の女の子がいた。
マネージャーさんかな?と思いつつ会釈をする。
人いるし、トイレん中でメイク直ししよ~とか思いつつ、洗面所を通り過ぎる
「 あなたの下の名前さんですよね? 」
急に声をかけられびっくりする私をみて暖かい笑顔で話を続ける
「 驚かせてしまいすみません、私WEST.の新メンバーとなりました、田中 璃由と申します。」
えっ……えぇっ?
あなたの下の名前「 わ、…そうなんですか!!?
挨拶遅れました、桜庭あなたの下の名前と申します。お願いします! 」
璃由「 ああ、はい。よろしくお願いします。」
璃由「 これが本題ではなく…話したいことがあるのですが。」
あなたの下の名前「 はい……?なんでしょう? 」
璃由「 簡単に話すと、WEST.を抜けて頂きたい。 」
あなたの下の名前「 …それは…なんででしょうか? 」
璃由「 この事務所にあんたは要らない。目障り。」
璃由「 歌も、ダンスもそんな上手ではないくせに、ビジュアルだけで乗り越えようなんて… 」
あなたの下の名前「 …貴方がそう思うのは仕方ない。でも私にはファンの皆様が……! 」
璃由「 ファン?笑
あんだけあんたのことを叩いてきたのがファン? 」
あなたの下の名前「 それは昔の話、今はファンなんです。」
あなたの下の名前「 …辞める気はありません。 」
璃由「 まぁ、今の貴方は辞める気はなくても…未来のあなたは…どうでしょう?笑 」
璃由「 それでは。メンバーの皆様も来てるだろうし… 」
ドンッ、
私の身体は地面と一体化した。蹴られたんだ。
璃由「 ファンレター、批判だらけでしょ?
それが今のファンの状況よ。 」
「あんたに不満がある。」
「あんたが辞めればいいのに。」
「あんたなんか」
「さっさとしねば?笑」
璃由「 …じゃ。 」
璃由「 これから、よろしくね?笑 」
腹を中心に…胸、足と数回蹴られた。
アザがもう出来ている。相当の力で蹴ったんだろう…
もう、痛いなどの感覚は無い。
はやく戻らんと。
ちこく、する。
…立ち上がり、重い体を無理やり動かす。
…あかん、痛み感じてきた
…じんじんなんかじゃない。なんて表せばええんやろ。
…わかんない…笑
心配させんよう…ちょっと隠さな。
数分後
指定時間の5分前、あなたの下の名前は手洗い場から出た。
周りから「おはようございます」と声がかかる
周りにバレないほど歩けてるし、アザも見えない。
私は笑顔で「おはようございます」と挨拶を返す
ガチャ。
楽屋に入ると…
まさに地獄といっても過言では無い風景だった。
編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!