第24話

冬生まれ、おめでとう!
992
2024/01/08 15:00
今日は家族揃って過ごせる日。
夫の流星がオレの誕生日だからと、わざわざお休みを取ってくれたのだ。

流星の可愛い寝顔をじっくりと眺められるのは久しぶりで。
ニコニコいつまでも横から眺めていると・・・

「え、早っ?!」

どうやら見つめ過ぎて起こしてしまったようだ。

「だって今日は"デレ"でいてくれる流星と1日中おれる日やもん!」

寝てるなんて勿体無いわ、と満面の笑みで返しておはようのキスを一つ贈ると抱きしめられる。

「当たり前やん!今日は大ちゃんの誕生日やもん!デレにデレたんでぇ〜!誕生日おめでとう!何欲しい〜?」

「まずは流星とのイチャイチャタイム〜♪」

そんな感じで朝から絶好調でいたら話し声で察知したのか、たまたまか。
恭平と駿佑がバタバタ走って部屋に突入してきた。

「「ママパパ、おはよ〜!」」

「わっ!2人ももう起きてたん?!」

「らって、きょおは"とくべちゅなひ"やもん!」

「ママ、ママ!こっち来て!」

「「はやくはやく!」」

グイグイと手を引かれて案内されてる間、子ども達のテンションに釣られて大吾もワクワクが止まらなくなる。

「何処まで行くん?」

「さぷらぃ・・・むぐ?!」

「あっぶな〜…駿、それ言ったアカンやつ」

そっか、やっぱりサプライズか。
慌てて恭平が駿佑の口を塞いでセーフだと思っているようだが、聞き取れてしまった事は勿論内緒で

「じゃじゃ〜ん!おめでとうの気持ちを込めて、今年のプレゼントは3人で作ってみました〜!」

「え?!世界に1つだけって事?!」

「そうやで〜!」

「お誕生日おめでとう!ママ!」

「しゅんが!しゅんが、わたしゅの!」

可愛いラッピングを解いて出てきたのは、オリジナルマグカップ。

「え〜♪すご〜い!」

「専用のペンで書いてオーブンに入れたら出来んねんけど、そうやねん!すごいんよ!」

「オレはな、ココ!ココんとこ書いたん!」

「しゅんのもみて!しゅん、コレ〜!ママのことかんがえて、ちゅくんの、たのしかったぁ〜♪」

ああ、もう絶対毎日コレで珈琲飲むだけで幸せになれるやつ!!

「めっちゃ素敵やん!ホンマありがとう〜!一生大事にするっ!!」

ガバッと2人纏めて抱きしめて、スリスリ頬擦りして全身全霊でありがとうを表現する。

「ママ!うまれて、しゅんのママになってくれて、あいがとう!しゅんのママが、ママで…うれちいれしゅ♪」

「オレも!ママの子で、すっっごい幸せ!生まれてきてくれてありがとう!」

何かしようと思ってくれた気持ちだけで嬉しいのに・・・
そんな言葉まで貰えて…この胸いっぱいの想いは、どうしたら伝える事が出来るだろう?

もう"コッチの方がありがとうやで〜!"って世界中に向けて叫びたくなる。

いつだって無償の愛を向けてくれている子ども達。

「オレも流星に出会えて2人のママになれた事が、今まで生きてきた中で1番幸せ♪」

あっという間に2人も9歳と3歳。
本当にあっという間で、ほんのちょっとだけ・・・
"そんなに急いで成長しないでいて欲しい"と寂しくなる時があるのも本当で。

「えへへ♪ママ、ちゅー♡」

「あっ!?オレもオレも!チュー♡」

だから…やっぱりまだまだ、こうゆう幼い所を見せてくれると安心する。

「どうしよ!めっちゃいい誕生日なんやけど!」

でも結局、日々の子ども達の成長が嬉しくて堪らないのだ。
流星との大事な宝物を育ててるんだ、どんな瞬間だって見逃したくない。

「オレからもお返しに恭平と駿にチュー♡」

「「んふふ♪じゃあ"おかえしのおかえしのチュー♡"」」

お返しのお返しのお返しの・・・と、いつまでも子ども達とイチャイチャしていると

「なんか妬けてきたぞぉ!返せ〜!オレの大ちゃん〜!」

「「ちがう!しゅん(恭平)の!!!」」

ヤキモチを妬いた流星がそう言って参戦して来てくれて、また嬉しくなる。

いつまでこうして取り合いしてくれるかな?

「「ママ!ずっと、だぁいすき♡」」

「オレは愛してんで!」

「あっ!パパだけジュル〜い!しゅんもあい・・・むぐっ?!」

「ダ〜メ!"愛してる"はパパの特権!」

「ん〜ん、んぅ〜!」

駿佑はちょっぴり怒だけど
広い部屋の片隅でギュウギュウ4人集まっているこの瞬間が、やっぱりこの上なく幸せで・・・

最高のプレゼントです!



                  END
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このお話はフィクションです。
実在の人物や団体などとは関係ありません。

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