京本さんが一通り泣いた後。
どこかスッキリしたような顔で、、
その後、京本さんは、小走りでこちらに駆け寄ってきて…
そこまでしなくていいよぉ〜w
と、手をヒラヒラしながら笑う京本さん。
その笑顔が、
北斗さんがいた頃のYouTubeの笑顔と重なって。
少し、安心した。
そういうと、
樹は路肩に車を停めた。
一瞬、迷った。
北斗さんが最近公園に現れないことを言うべきか。
言ったら、その背中に、もっと重荷を背負わせることになるかもしれない…
…でも、メンバーなんだから、伝えたほうがいいのかもしれない
こんな時、北斗さんなら、どうするんだろう…
…そんなことを考えて、出した結果は…
たどたどしく、だが、
説明した。
樹さんは、軽く目を見開いた後…
と言って、
私の頭をくしゃっと撫でた後
車を発車させた…
車が、公園に近づいた時、
北斗さんらしき人が見えた。
そう言って、樹さんは病院に戻って行った…
前みたいに、こそっと話しかけたら
また貴方は、あの時と同じ顔で驚いていた
それが、少し懐かしかった。
北斗さんは、
まるで、空白の数日間がなかったように話し始めた…
…その時、何かの違和感を感じた。
そう、まるで
いつも同じ場所に置いていたはずの物が、ちょっと違う場所にあるような…
そんな違和感。
違和感の正体は、すぐにわかった。
車のライトに照らされた北斗さんは…
ライトの光を通していたから。
事の重大さと反比例のように
北斗さんは落ち着いていた。
その言葉だけを残して
北斗さんは塵のようにきえた…
…でも、わかる。
まだ、北斗さんはここにいることが…
最愛の人を…
やすやすと手放すなんて…
女としての名がきずつくから。
編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!