第32話

32 終わりへのカウントダウン…1
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2023/12/20 00:07
京本さんが一通り泣いた後。
どこかスッキリしたような顔で、、
京本大我
京本大我
俺、もう少しいるよ。
京本大我
京本大我
樹、あなたちゃんを送ってあげて…?
田中樹
田中樹
www
最初からそのつもりだよ。
京本大我
京本大我
帰り、気をつけてね!
(なまえ)
あなた
うん。ありがとうございます。
京本大我
京本大我
こっちこそ!
その後、京本さんは、小走りでこちらに駆け寄ってきて…
京本大我
京本大我
あのさ、北斗いたら、これ伝えてくれる?
京本大我
京本大我
…俺はもう、大丈夫だよ。
北斗も早く戻って来なかったら、怒っちゃうからね!
って。
(なまえ)
あなた
…わかりました。
(なまえ)
あなた
しっかりと、一語一句間違えずに伝えておきますね。
そこまでしなくていいよぉ〜w
と、手をヒラヒラしながら笑う京本さん。
その笑顔が、
北斗さんがいた頃のYouTubeの笑顔と重なって。
少し、安心した。








田中樹
田中樹
今日も、公園寄っていくのか?
(なまえ)
あなた
…うん、寄っていこうかな。
田中樹
田中樹
表情暗めだな、なんかあったか?
(なまえ)
あなた
…まあ、うん。
そういうと、
樹は路肩に車を停めた。
田中樹
田中樹
…俺に言えそう?
田中樹
田中樹
それとも…言えない、か?
一瞬、迷った。
北斗さんが最近公園に現れないことを言うべきか。
言ったら、その背中に、もっと重荷を背負わせることになるかもしれない…
…でも、メンバーなんだから、伝えたほうがいいのかもしれない
こんな時、北斗さんなら、どうするんだろう…
…そんなことを考えて、出した結果は…









(なまえ)
あなた
…最近、北斗さんを公園で見かけなくなって…
(なまえ)
あなた
……悪いことになってなければいいんですけど…
たどたどしく、だが、
説明した。
樹さんは、軽く目を見開いた後…
田中樹
田中樹
…そうか。
田中樹
田中樹
…まあ、あいつのことだから、どこかふらーっとしてるだけだろ。
田中樹
田中樹
話してくれて、ありがとうな。
と言って、
私の頭をくしゃっと撫でた後
車を発車させた…
田中樹
田中樹
…で、どうする?行く?
(なまえ)
あなた
…行きます。
田中樹
田中樹
りょーかい。








車が、公園に近づいた時、
北斗さんらしき人が見えた。
(なまえ)
あなた
あ…!
田中樹
田中樹
いたか?
(なまえ)
あなた
はい。
田中樹
田中樹
じゃあ、ここで降ろすから。
頑張れよ。
そう言って、樹さんは病院に戻って行った…





(なまえ)
あなた
北斗さん、
松村北斗
松村北斗
わっ!?
前みたいに、こそっと話しかけたら
また貴方は、あの時と同じ顔で驚いていた
それが、少し懐かしかった。
松村北斗
松村北斗
びっくりしたぁ…w
(なまえ)
あなた
www
何回引っ掛かれば気が済むんでしょうねーw
松村北斗
松村北斗
いや、やらなきゃ大丈夫だから、うん。
北斗さんは、
まるで、空白の数日間がなかったように話し始めた…
…その時、何かの違和感を感じた。
そう、まるで
いつも同じ場所に置いていたはずの物が、ちょっと違う場所にあるような…
そんな違和感。


違和感の正体は、すぐにわかった。
車のライトに照らされた北斗さんは…
ライトの光を通していたから。
(なまえ)
あなた
北斗さん…!?
(なまえ)
あなた
それ…!
松村北斗
松村北斗
…ああ、これね。
事の重大さと反比例のように


北斗さんは落ち着いていた。
松村北斗
松村北斗
最近、体まで透けるようになってきたんだ…
松村北斗
松村北斗
…そろそろ、限界、なのかも。
(なまえ)
あなた
そんな…!
松村北斗
松村北斗
大丈夫、俺は必ず…戻る、から…
(なまえ)
あなた
北斗さん…!
松村北斗
松村北斗
だか、ら、さ…もう、少し……まっt…て……
その言葉だけを残して
北斗さんはちりのようにきえた…


…でも、わかる。
まだ、北斗さんはここにいることが…
(なまえ)
あなた
…絶対、連れ戻します、待っててください。





最愛の人を…
やすやすと手放すなんて…
女としての名がきずつくから。

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