第8話

我々、人間のため
6
2024/04/19 16:30
無事に帰ってこれた、けど……
ユーリ
ユーリ
ただいま、、
お母さん
お母さん
ユーリ
ユーリ
ユーリ
お母さん
お母さん
あなた、普段どこへ行ってるの?
ユーリ
ユーリ
お母さん
お母さん
あなたが出掛けてる間、駆除組織が来たわ。あなたがどこに居るか探してた。
ユーリ
ユーリ
お母さん
お母さん
あなたの服から枯葉が落ちたんですって
ユーリ
ユーリ
お母さん
お母さん
どういうことなの?!
ユーリ
ユーリ
…その、なんていうか、、
もしここで、秘密の場所の話をしたら、シュンにもきっと悪いことが起こる…シュンまで巻き込みたくない…でも、なんて言えばいいか、、
お母さん
お母さん
そんなに話せないことなの?
ユーリ
ユーリ
…うん
お母さん
お母さん
…わかった、、
ユーリ
ユーリ
…?!
お母さん
お母さん
あなたがシゼンに対して興味を持っている事は分かってる、、でも、これ以上今まで行っていた、どこかには行かない方がいいわ
ユーリ
ユーリ
…わかった
お母さん
お母さん
恐らく組織は今も、あなたを探し待っている。今後何か、組織から命じられるかもしれない
ユーリ
ユーリ
うん
お母さん
お母さん
その時は大人しく従うのよ
ユーリ
ユーリ
うん
……
シュン
シュン
来たか
シン
シン
約束は守る
シュン
シュン
よく言ってたよなぁ、母さん
シン
シン
シュン
シュン
どんなに小さな約束でも、守りなさい。
ずっと言い聞かせれてきた
シン
シン
…その母さんはもう動くことすら
出来ない
シュン
シュン
シン
シン
全て、自然のせいで大切な者を失った
シュン
シュン
…だから俺は自然を知ろうと研究をしている。でもお前は違う、知らずに駆除するばかりだ
シン
シン
当たり前だ、人を殺めるものが必要な訳がない。殺めるものの何が必要ならば、必要なものだけを作り出せばいいことだ。
シュン
シュン
だが、作り出すには限界がある。自然にしかないものが山ほどあるというのに、駆除するなんてもったいないとか思わないのか?
シン
シン
思うわけないだろ
シュン
シュン
シン
シン
父さんが死んだのはアナフィラキシーショック、蜂だ。そして、母さんは熱中症の後遺症で筋肉が死んでいった。
シュン
シュン
……
シン
シン
だからこそ、自然を全て無くした。植物も動物も、天候や気温さえこの街はドーム型の建物に覆われて、天候と気温、湿気などを丁度よく設定されている。
シュン
シュン
だが、そのせいで季節もなくなった
シン
シン
だからなんだって言うんだ、自分の命の方がずっと大切だろ。規則正しい生活をするためにも、AIたちが働いている。過労死がなくなる為に人間が働く時間は最小限になった。
全て我々、人間のためだ。
シュン
シュン
人間のためねぇ、、そんなのお前のご都合主義だろ
シン
シン
は?
シュン
シュン
親父の死と母さんの後遺症、これ以上大切な人を失いたくない。
シン
シン
シュン
シュン
大切な奴が死ぬのは辛い。けどそれも自然の掟だ。自然に逆らい続けても、いつかは死が待っている。人間いつかは死ぬんだ。
シン
シン
黙れ!!!
シュン
シュン
兄貴、、これ以上は無駄だ、AIにだっていつか限界が来る。
シン
シン
うるさい!!お前に何が分かる!!
シュン
シュン
じゃあなんで俺を駆除しないんだよ!!
シン
シン
…!
シュン
シュン
駆除組織のボスであるお前が、自然の研究をこの街で行っている事をなぜ放っておく?それ家族の俺を失うのが怖いからだろ?!
シン
シン
…黙れ、、
シュン
シュン
お前の中では母さんは死んでいるようだが、俺の中では生き続けている。いつか、後遺症を治すために研究をし続ける。
シン
シン
……
シュン
シュン
枯葉の話だが、あれは俺の研究してた葉と似てる。恐らく風で飛ばされてその子の服に付いたんだろ。だから少女は何も関係ないよ。
シン
シン
…本当だな?
シュン
シュン
あぁ
シン
シン
……嘘だったら、俺はどうする事も
出来ないぞ
シュン
シュン
いいぜ、どの道俺がまいた種だだからな
シン
シン
そうか…じゃあな
シュン
シュン
あぁ
……
(俺はどうする事も出来ないぞ)
シュン
シュン
……兄貴、もうボスではねぇのか、、

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