ダンス練習部屋にて
ルビーが鏡の前で突っ立っている。
何してんだ‥?
途端に踊り出した。
拙いステップで手を上げて、鏡の前で踊っている
今日のこと、気にしてんのかな‥?
その瞬間、ルビーが転けた
大丈夫かな‥??
いつの間にかアイちゃんが後ろに居た。
なんとなく見ていてたい。
そういってスマホから曲を流す。
俺はルビーと一緒にそこにある椅子に座ってアイちゃんのダンスの練習を暫く見学することにした。
アイちゃんが華麗なステップで踊り、可愛げなポーズを決める
可愛いな、まじで((
黙っていたルビーがいきなりアイちゃんに振りの指摘をした
ルビーが細かく教える、
なんで知ってんだ‥?
あ、そうか、前世アイちゃんのビデオ見まくってたのか
そういって、アイちゃんがルビーの頭を優しく撫でた。
当たり前だよ。
ママのLIVE映像は何百、何千回も見た
振りだって全部覚えてる
転んじゃった。
やっぱり、私にダンスは‥‥
だって、いつも倒れてばかりで
受け身とらないと、怪我するから‥‥
ママはそういって、倒れたままの私の体を起こしてくれた
ダイヤがそう言い、胸を張ってどや顔でこちらを見つめてきた
私の人生は、そのほとんどを病室で終えた
身体は不自由で、ほとんど言うことを聞かず
ベッドの中でもひたすら憧れ続けた
ママのカッコいい動きは全部脳裏に刻まれてる
あの光は全部網膜に焼き付いてる
私の光
あんな風に動けたら、あんな風に自由に
もっと、もっと動け!
私の身体‥!
私も踊っていいんだ‥!
アイちゃんがルビーを励まし、見事なダンスを親子二人で披露している
すげぇ、やっぱ才能か‥‥
声の方に顔を向けるとそこにはアク兄の顔が半分見えていた
そういやアク兄って呼べって言われてたな()
そんなに衝撃だった?((
編集部コメント
引きこもりのおじさんと真面目な女子高生という組み合わせがユニーク。コンテストテーマである「タイムカプセル」が、世代の違う二人をつなぎ、物語を進めるアイテムとして存在感を発揮しています。<br />登場人物が自分の過去と向き合い、未来に向かって成長していく過程が丁寧な構成で描かれていました。