第4話

決闘
103
2022/04/10 10:20
(瑞生 side)

いよいよ決闘当日。

僕は銃(ビービー玉を打つ銃)を

主に装備して屋上に来た。

殺したくはないが、一応右腰に短刀を。

左腰には銃(銃弾を打つ銃)を装備しておいた。
轟羅来
轟羅来
ごきげんよう。
瑞生君。
烏野瑞生
烏野瑞生
どうも。
轟さん。
相変わらず彼女は、微笑んでいる。

悪魔の微笑み。
轟羅来
轟羅来
何時から始めるのかしら。
烏野瑞生
烏野瑞生
うーん…。
今は何時だ?
轟羅来
轟羅来
十四時五十八分よ。
烏野瑞生
烏野瑞生
じゃあ、十五時に。
僕のスマホのタイマーが鳴ったら開始。
轟羅来
轟羅来
制限時間は?
烏野瑞生
烏野瑞生
無し。
でも、十九時頃に日が暮れるだろうから、
十九時迄に終わらなければ、
来週に持ち越し。
轟羅来
轟羅来
ふーん。
分かったわ。
烏野瑞生
烏野瑞生
それも僕のスマホにセットしておく。
轟羅来
轟羅来
ありがとう。
無言になった途端、

辺りの空気で呼吸が出来なくなる。

早く過ぎて欲しい自分と、

戦いたくない自分がいる。
烏野瑞生
烏野瑞生
十、九、八、七…。
ああ。

もう来てしまう。
烏野瑞生
烏野瑞生
六、五、四…。
嫌だ。

戦争なんて。
烏野瑞生
烏野瑞生
三、二…。
死にたくない。

死にたくない。

死にたくない。

死にたくない。

死にたくない。

死にたくない。

死にたくない。

死にたくない。

死にたくない。

死にたくない。

死にたくない。

死にたくない。


殺されたくない。

殺されたくない。

殺されたくない。

殺されたくない。

殺されたくない。

殺されたくない。

殺されたくない。

殺されたくない。

殺されたくない。

殺されたくない。

殺されたくない。

殺されたくない。
烏野瑞生
烏野瑞生
一…。























なら、彼女を殺せば良いのか。
ピピピッ…。


僕はタイマーが鳴った瞬間走った。

そして右腰から短刀を抜く。

振りかざす。

ビュンッ。

避けられた。

でも僕は何回も刺す動作を繰り返す。

無言で。

少し気を抜いてしまった。

彼女は僕の後頭部を殴る。

ドンッ。
轟羅来
轟羅来
もう、終わりかしら。
別に良いけど。
でも、もうちょっと戦いたかったわ。
イラッとした。

左腰から銃を抜く。

バンッ。

彼女は倒れた。

多分肩ら辺を撃たれたのだろう。

これで刺せば殺せる…。

…ん?

思えば呻き声が聞こえない。

と思った。
轟羅来
轟羅来
瑞生君。
私はそう簡単に死なないわ。
しかも、撃たれたはずの肩は

何事も無かったかのように穴一つ開いてなかった。
烏野瑞生
烏野瑞生
どうして…。
轟羅来
轟羅来
んふふ。
私、体を再生出来るの。
烏野瑞生
烏野瑞生
そんな事…。
轟羅来
轟羅来
あるわよ。
でも…。
僕は驚きを隠せないまま話を聞く。
轟羅来
轟羅来
でも、心臓を一気に刺すなり、
取り出すなりすれば死ぬわね。
少しでも希望が見えた。
轟羅来
轟羅来
何してるの?
私を殺そうとしてるの?
なんて言いながら微笑んでいるから、

恐らく彼女はサイコパスどころではなく、

頭が狂っていると悟った。
また殴られる。

少し意識が朦朧とした。

多分、意識がある状態で

苦しめながら殺すつもりだろうか。

僕は最後の力を振り絞る。

銃を持って、彼女の左胸辺りを狙う。

やばい。

手が震えている。

よし、ここだ!
轟羅来
轟羅来
…っ!?
彼女は無言で倒れた。

直ぐに駆け寄る。

やった!!

彼女は息をしていない。

大量の血が彼女から溢れ出ている。
烏野瑞生
烏野瑞生
やったー…?
フラッとした。

何故か。

倒れる。

辺りが黒くなる。

あれ?

轟さん。

羅来さんが、目の前に…。
轟羅来
轟羅来
後〇.五cmで私を殺せたのに。
運が悪かったのね。
瑞生。

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