(瑞生 side)
いよいよ決闘当日。
僕は銃(ビービー玉を打つ銃)を
主に装備して屋上に来た。
殺したくはないが、一応右腰に短刀を。
左腰には銃(銃弾を打つ銃)を装備しておいた。
相変わらず彼女は、微笑んでいる。
悪魔の微笑み。
無言になった途端、
辺りの空気で呼吸が出来なくなる。
早く過ぎて欲しい自分と、
戦いたくない自分がいる。
ああ。
もう来てしまう。
嫌だ。
戦争なんて。
死にたくない。
死にたくない。
死にたくない。
死にたくない。
死にたくない。
死にたくない。
死にたくない。
死にたくない。
死にたくない。
死にたくない。
死にたくない。
死にたくない。
殺されたくない。
殺されたくない。
殺されたくない。
殺されたくない。
殺されたくない。
殺されたくない。
殺されたくない。
殺されたくない。
殺されたくない。
殺されたくない。
殺されたくない。
殺されたくない。
なら、彼女を殺せば良いのか。
ピピピッ…。
僕はタイマーが鳴った瞬間走った。
そして右腰から短刀を抜く。
振りかざす。
ビュンッ。
避けられた。
でも僕は何回も刺す動作を繰り返す。
無言で。
少し気を抜いてしまった。
彼女は僕の後頭部を殴る。
ドンッ。
イラッとした。
左腰から銃を抜く。
バンッ。
彼女は倒れた。
多分肩ら辺を撃たれたのだろう。
これで刺せば殺せる…。
…ん?
思えば呻き声が聞こえない。
と思った。
しかも、撃たれたはずの肩は
何事も無かったかのように穴一つ開いてなかった。
僕は驚きを隠せないまま話を聞く。
少しでも希望が見えた。
なんて言いながら微笑んでいるから、
恐らく彼女はサイコパスどころではなく、
頭が狂っていると悟った。
また殴られる。
少し意識が朦朧とした。
多分、意識がある状態で
苦しめながら殺すつもりだろうか。
僕は最後の力を振り絞る。
銃を持って、彼女の左胸辺りを狙う。
やばい。
手が震えている。
よし、ここだ!
彼女は無言で倒れた。
直ぐに駆け寄る。
やった!!
彼女は息をしていない。
大量の血が彼女から溢れ出ている。
フラッとした。
何故か。
倒れる。
辺りが黒くなる。
あれ?
轟さん。
羅来さんが、目の前に…。
編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!