文 山田涼介
着崩した制服、きらりと光るピアス、ワックスで整えた髪
俺の前に現れた有岡はまぎれもないチャラ男に変身していた。
しかし、その目は驚きよあまり見開かれたままだ
それもそのはず、俺は髪を金髪に染め、カラコンをつけ
さらにチャラくなっていたのだから!
その場に崩れ落ちる有岡、両脇にいたギャルは
そんな弱った有岡にキュンキュンときめいている
オレが何気なくそのうちの1人のギャルに目を向けると…
…ん!?あれ、侑李じゃね!?
つまり、数日前俺とキスした侑李は、今この瞬間有岡に惹かれてるわけで…………
べ、べつに侑李のことなんか、
いっぱいいる女のコのうちの1人としか思ってなかったけど!
じゃあこの胸のもやもやは何なんだろう…
俺はゆっくりとその場を後にした………………
編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!