そして時は経ち、今は先輩と最後に演奏出来る、定期演奏会。
あの2人の先輩とはすっかり良い関係に。
この状態で定演を迎えられて本当に良かった。
こんなこと言われたら緊張しかしないっていうの!
皆楽屋に行っていたから、誰にも聞かれていなかった。
―楽屋にて―
―本番―
最後のプログラムになってしまった
この曲は、麗緒先輩のソロがある。
そして、3年生が1人ずつ退場して、下級生が送り出す。
とても綺麗な音色がホール全体に響き渡る。
🎼.•*¨*•.•*¨*•.¸¸🎶
先輩が立ち上がった。
すごく美しい音色。
練習で沢山聞いてきたけど、これでもう麗緒先輩のソロは最後なんだ━━━━━━━━━━━
聞いているだけで自然と涙が出てきた。
そして、下級生が送り出すシーンになった。
私は先輩の近くに行った。
思わず溢れた
麗緒先輩。
大好きだよ。
私は先輩を抱きしめた。
先輩は私を抱きしめ返してくれた。
きっとお客さんには全く聞こえてない。
これで終わりだ。
先輩は退場した。
私は泣きながら吹き続けた。
曲が終わり、1.2年生で客席にお辞儀をした。
そして、定期演奏会は幕を閉じた。
―その後のお別れ会にて―
3年生が1人一言ずつ話した。
麗緒先輩の番になった。
私は泣いてしまった。
素敵な話だなぁ。。
私も卒業する時ああなりたい。
―お別れ会終了後―
私たちは、音楽室のベランダに出た。
麗緒先輩はそう言うと、頭に手を回し、私にそっとキスをした。
恋奏―こいかな―
<完>
編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。