昨日は不思議とぐっすりと眠れた。
あれだけ泣いたからだろうか…?
いや、きっと……先輩の過去が、私を苦しめてると分かり、それを聞けば少しは楽になる…と、先輩がそう言ってくれたからかもしれない。
今日…先輩の辛い過去の全てが分かる日…
私は、ちゃんと先輩を受け入れられるのだろうか……?
ほんの少しだけ……そんな不安を抱えつつ、学校へと向かった。
校門を潜ろうとしたら嬉しそうに綾が声をかけてきた。
綾は私達が付き合っていると思っているのだろうか…やけにテンションが高かった。
その後も色々と聞かれて大変だったけど、上手く交したら、「応援してるから!」と言ってくれた。
授業中、先輩から“今日もご飯作ってくれね?“とメッセージがあり、私は迷わず即OKした。
放課後─────
先輩に美味しいご飯をご馳走したいから、帰りにスーパーで買い出しに行く予定だった。
私達は教室で別れた。
今日は金曜日で、明日は休み。
今日から日曜日までの間に何か少しでも進展があれば……と思った。
私は学校近くのスーパーに来ていた。
私はいそいそとお肉売り場に行き、鶏もも肉をカゴに入れた。
生活費は親戚の叔父や叔母達が工面してくれている為、何不自由なく暮らせている。
この後、味噌汁の材料と付け合せの野菜を買って帰宅した─────
私は私服に着替え、ご飯の支度をしていた。
後もう少しで完成…という所で先輩からメッセージがあり、“もうすぐ着く“とだけ送られてきた。
と少し慌てながら味噌汁を作り、良い具合に揚がった唐揚げを付け合せと一緒にお皿に盛った。
ピーンポーン━━━━
丁度良いタイミングで先輩が来た。
私は慌ててエプロンを外し、笑顔で出迎えた。
思わず私はそう言ってしまった…
先輩は私の言葉に優しく笑顔で返してくれた。
そして……
少し照れながら言う先輩に私も
と、ちょっぴり照れながらそう返事した。
キッチンに置いてあった料理をテーブルに運んでいると、嬉しそうにする先輩。
それがとても可愛くて微笑ましかった。
並び終えると直ぐ様、唐揚げに箸をつける先輩。
こうして見ると、同棲中のカップルみたいだ。
お互いお腹いっぱいになって、少し休憩したところで、先輩が口を開いた。
本題……それは…昨日の続き。
つまり、先輩と彼女の話。
昨日は確か「あいつが現れるまでは…」で、終わったんだっけ?
それが、今から聞ける…
私は思わず息を呑んだ───────
編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。