第18話

先輩の過去が繋いだ愛【後編】
479
2022/09/01 22:59
昨日は不思議とぐっすりと眠れた。
あれだけ泣いたからだろうか…?
いや、きっと……先輩の過去が、私を苦しめてると分かり、それを聞けば少しは楽になる…と、先輩がそう言ってくれたからかもしれない。

今日…先輩の辛い過去の全てが分かる日…
私は、ちゃんと先輩を受け入れられるのだろうか……?

ほんの少しだけ……そんな不安を抱えつつ、学校へと向かった。
_望月 綾@もちづき あや_
望月 綾もちづき あや
おはよう!菜々!
_水樹 菜々@みずき なな_
水樹 菜々みずき なな
あ、おはよう!綾!
校門を潜ろうとしたら嬉しそうに綾が声をかけてきた。
_望月 綾@もちづき あや_
望月 綾もちづき あや
ねぇ!どうだった!?
_水樹 菜々@みずき なな_
水樹 菜々みずき なな
何が?
_望月 綾@もちづき あや_
望月 綾もちづき あや
何が?……じゃないわよ!
昨日、ちゃんと先輩待っててくれたんでしょうね!?
まさか……あんたを置いて……
_水樹 菜々@みずき なな_
水樹 菜々みずき なな
まさか!ちゃんと待っててくれたよ!
てゆうより……迎えにきてくれた…って感じ?
_望月 綾@もちづき あや_
望月 綾もちづき あや
何?何?
超イイ感じじゃない!
もう…ラブラブだねぇ♡
_水樹 菜々@みずき なな_
水樹 菜々みずき なな
ラブっ……そ、そんなんじゃないから///
綾は私達が付き合っていると思っているのだろうか…やけにテンションが高かった。


その後も色々と聞かれて大変だったけど、上手く交したら、「応援してるから!」と言ってくれた。

授業中、先輩から“今日もご飯作ってくれね?“とメッセージがあり、私は迷わず即OKした。
放課後─────
_望月 綾@もちづき あや_
望月 綾もちづき あや
今日、隼人が部活終わるまで待っていようと思うけど、菜々はどうする?
_水樹 菜々@みずき なな_
水樹 菜々みずき なな
あぁ…ごめん、今日はこのまま帰るね?
先輩に美味しいご飯をご馳走したいから、帰りにスーパーで買い出しに行く予定だった。
_望月 綾@もちづき あや_
望月 綾もちづき あや
そっかぁ…。
分かった!じゃあまた、月曜日ね!
_水樹 菜々@みずき なな_
水樹 菜々みずき なな
うん!バイバイ
私達は教室で別れた。
今日は金曜日で、明日は休み。
今日から日曜日までの間に何か少しでも進展があれば……と思った。
_水樹 菜々@みずき なな_
水樹 菜々みずき なな
うーん…何しようかなぁ…
私は学校近くのスーパーに来ていた。
_水樹 菜々@みずき なな_
水樹 菜々みずき なな
(先輩が好きな物と言えば……)
_水樹 菜々@みずき なな_
水樹 菜々みずき なな
(唐揚げだ!!)
私はいそいそとお肉売り場に行き、鶏もも肉をカゴに入れた。

生活費は親戚の叔父や叔母達が工面してくれている為、何不自由なく暮らせている。
_水樹 菜々@みずき なな_
水樹 菜々みずき なな
(好きな人にもお金を使ってるって分かったら怒られるかな…?)
この後、味噌汁の材料と付け合せの野菜を買って帰宅した─────
私は私服に着替え、ご飯の支度をしていた。

後もう少しで完成…という所で先輩からメッセージがあり、“もうすぐ着く“とだけ送られてきた。
_水樹 菜々@みずき なな_
水樹 菜々みずき なな
もしかしたら、家に帰らずにそのまま来る予定かな?
_水樹 菜々@みずき なな_
水樹 菜々みずき なな
(そうとなれば、早く済ませないと…!)
と少し慌てながら味噌汁を作り、良い具合に揚がった唐揚げを付け合せと一緒にお皿に盛った。
_水樹 菜々@みずき なな_
水樹 菜々みずき なな
完成!!
ピーンポーン━━━━
丁度良いタイミングで先輩が来た。
私は慌ててエプロンを外し、笑顔で出迎えた。
_水樹 菜々@みずき なな_
水樹 菜々みずき なな
お帰りなさい!
思わず私はそう言ってしまった…
_阿久津 翔@あくつ しょう_
阿久津 翔あくつ しょう
!?
_水樹 菜々@みずき なな_
水樹 菜々みずき なな
あっ……すいません…つい…
_阿久津 翔@あくつ しょう_
阿久津 翔あくつ しょう
ふっ……ただいま
_水樹 菜々@みずき なな_
水樹 菜々みずき なな
っ……///
先輩は私の言葉に優しく笑顔で返してくれた。

そして……
_阿久津 翔@あくつ しょう_
阿久津 翔あくつ しょう
こうゆうの…悪くないな…///
少し照れながら言う先輩に私も
_水樹 菜々@みずき なな_
水樹 菜々みずき なな
そう…ですね…///
と、ちょっぴり照れながらそう返事した。
_阿久津 翔@あくつ しょう_
阿久津 翔あくつ しょう
お!唐揚げじゃねぇか!
キッチンに置いてあった料理をテーブルに運んでいると、嬉しそうにする先輩。

それがとても可愛くて微笑ましかった。
_水樹 菜々@みずき なな_
水樹 菜々みずき なな
はい!
今日は先輩の好きな物にしてみました。
_阿久津 翔@あくつ しょう_
阿久津 翔あくつ しょう
サンキュー!
じゃ、頂きます!
_水樹 菜々@みずき なな_
水樹 菜々みずき なな
どーぞ、召し上がれ!
並び終えると直ぐ様、唐揚げに箸をつける先輩。
_水樹 菜々@みずき なな_
水樹 菜々みずき なな
本当に好きですね!
_阿久津 翔@あくつ しょう_
阿久津 翔あくつ しょう
あぁ。つーか、コンビニ弁当より断然うめぇ!
_水樹 菜々@みずき なな_
水樹 菜々みずき なな
えー本当ですかぁ?
_阿久津 翔@あくつ しょう_
阿久津 翔あくつ しょう
おう、本当だ!
_水樹 菜々@みずき なな_
水樹 菜々みずき なな
なら良かったです!
こうして見ると、同棲中のカップルみたいだ。
_水樹 菜々@みずき なな_
水樹 菜々みずき なな
(いつか…先輩とそんな風になりたぃなぁ……なんてね)
_阿久津 翔@あくつ しょう_
阿久津 翔あくつ しょう
ご馳走様でした!
_水樹 菜々@みずき なな_
水樹 菜々みずき なな
はーい!
お互いお腹いっぱいになって、少し休憩したところで、先輩が口を開いた。
_阿久津 翔@あくつ しょう_
阿久津 翔あくつ しょう
さて……本題に入ろうか…
本題……それは…昨日の続き。
つまり、先輩と彼女・・の話。
昨日は確か「あいつが現れるまでは…」で、終わったんだっけ?
それが、今から聞ける…
_水樹 菜々@みずき なな_
水樹 菜々みずき なな
(ごくっ…)
私は思わず息を呑んだ───────

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