ルーサー「おっと フフ」
ルーサーの足がかぼちゃに当たりコツンっと音を立てる。
ルーサー「あらまぁ、フフ」
すると少し老いたように見える男が近づいてくる。
畑主「わしのカボチャ畑から出て行け!」
ルーサー「... あなたがこのカボチャ達の父親かな?」
グルンと首だけ180°回して問う
畑主「!!!悪魔だ!!」
ガシッ
ニェンが畑主の肩を掴み、殺意の籠った目で畑主を睨む。
グキ
ルーサー「私は人間だ」
と首を戻しながら言う
するとルーサーは人差し指を畑主の方に伸ばす。
ルーサー「シーッ...私の家族が貴方の子供達をもっと
可愛くしてあげるから心配しないで...」
と畑主の頬に指をめり込ませる
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【ランダルの部屋】
私はやることが特になかったためランダルさんの横で一緒に寝転んでいた。
こっそり学校に行った日、とてもルーサーさんやセバスチャンに心配された。でもそれがどうしようもなく嬉しかった
ルーサーさんは私に危害を与えるわけでもないし
ランダルさんは人間との安全な遊び方をまだ知らないだけで別に悪い人でもない
ニェンさんは怖いけど避けていれば基本的に大丈夫
ニョンさんはただただカワイイ。とっても
セバスチャンは...いい友達だ。きっと
まぁ何が言いたかったのは、
この家に居ても殺される心配はないし、衣食住揃っているしこの家を出る必要がない
と言うことだ。
そんなことを1人で考えているといつのまにか寝てしまった。
・
・
・
「帰ってきた」
「マスターのお帰りだ」
ルーサー「おやおやおや」
ランダル「...」
あなた「zZZ」
ルーサー「珍しいな」
ルーサー「心臓が止まっているのかと思ったよ」
ルーサー「あなた、ランダル」
ルーサー「かぼちゃだ 小さいものもある
だから起きなさい、さぁ」
ランダル「...カボチャ?へへ、オッケー」
『...ん、カボチャ...??』
とまだはっきりしない意識の中、拾った言葉を復唱する。
ピッと音がしたと思ったらガシャンと音を立ててセバスチャンを拘束していたものが動く
セバスチャンを四つん這いに立たせた
寝起きで眠いだろうに...可哀想
ランダル「さぁ、ものを切り刻む時間だよ〜僕とあなたとセバスチャンで3人だけ。永遠に終わることのない時間だよ」
...すぐに終わってくれ
セバスチャンの方を見ると案の定
セバス(もっと寝てたかった)
なんて考えてそうな顔をしていた
全く同感だ。
ルーサー「さ、皆 頑張って♡」
ルーサー「誰が1番可愛いカボチャを作れるかな」
キャットマン達の目はカボチャに釘付けになっている
...ニョンさんのカボチャちっちゃ。
.......... 何この空気
ランダル「ねぇねぇ」
ランダル「腐っちゃう前にさ...この子達に人格を与えるって言うのはどうかな。我ながらいい考えだと思うんだよね」
.....どう言うこと???カボチャに人格??
えぇ...。
恰も人格を与えられるのは普通の事のようにランダルさんは言葉を並べる
ランダル「でも結局そんなのどうでも良くなるかなぁ
そうだ、土の中に入っちゃえば人間と変わらないしね。」
変わります。全然違うし...
ルーサー「ちょっとお喋りがすぎるな」
ルーサー「口の中が真っ黒な空洞になってしまうぞ」
ルーサー「とにかく、カボチャを、彫りなさい」
と少し目の下を暗くしてルーサーさんが言う。
するとランダルさんはカボチャを切ってその中をぐちゃぐちゃとかき混ぜる。
なんと言うか、グロい。
.........うぇ
ランダル「この中すごくぬるぬるしてて楽しい!」
ランダル「私みたいだねぇ、フフ」
《 ... 》
私は考えるのをやめた
ランダル「さぁお嬢さんお顔を作ってあげるからね〜」
〜〜〜
ランダル「」
編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。