第5話

少し似た誰かさん
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2018/07/04 14:48
【あなたside】
部活終わり。制服……ではなく、いつも着ているパーカーを着て、制服のスカートを履いて、
あなた
あなた
お疲れ様です。
と、先輩に挨拶して部室を出る。リュックを背負ってポケットに手を突っ込んでいれば、
女子生徒
あ、あの!○○さん!
正面から、可愛らしい女の子がやってくる。顔を赤くして、私を見ている。
あなた
あなた
どうしたの?
念の為聞いてみれば、案の定差し出されたのは、1つの手紙。
女子生徒
好きです!付き合ってください!
そう言って、手紙を渡してくる女の子。またか……。女の子からの告白はもう日常茶飯事。同じ子に3回くらい告られたこともある。私は、少し息をついて、
あなた
あなた
ごめんね。私女だし。もっといい人いると思うよ。
女子生徒
私、○○さん以外いい人居ないよ!女の子でもいいから……お願い。
うわー……しつこい系だ。苦手なやつ。けど、傷付けるのは避けたい。
あなた
あなた
気持ちは嬉しいよ。けどね、私あなたのこと知らないし、やっぱり女の子同士だし……それに私、本気で好きになった人と付き合いたいの。だから、ごめんね。けど、この手紙は貰っておくよ。
断りの時点で泣きそうになっていた女の子だけど、私が手紙を受け取ったら嬉しそうに笑った。
そして、女の子と別れたあと。
国見英
国見英
相変わらずの人気ですね。先輩。
後ろから男の子がしたので振り返ってみれば、背の高い顔の整った男の子がいた。でも私、この人と喋ったことあるっけ。でも見たことあるし……と悩んでいれば、
国見英
国見英
俺のこと分かりませんよね。
と苦笑しているその男の子に、こくんと頷けば、
国見英
国見英
まぁ、後に分かるんで。それじゃ。
そう私に挨拶して、去っていくその人。
あなた
あなた
マイペース……。
そう呟いて気付いたんだけど、私もマイペースだ。私に似てる?なんて共通点を1つしか見つけてないのに。
あなた
あなた
あほらし。
1人でそう呟いて家に帰った。

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