暗くなってしまった空の下で、一人トボトボと歩いていた。
日々人を殺すのが当たり前のような存在なのだと七海さんは言っていた。
じゃあ私が今まで見てきた真人は何?
私が話していた彼は誰?
いくら考えても今は何も結論を出せそうにない。
扉の前に立った私は、真人にさっきまでの事がバレないように気合を入れ直した。
ケチャップを受け取った真人が冷めきってしまったオムライスを電子レンジに入れた。
電子レンジの中を見つめる真人の目がキラキラと楽しそうで、人殺しの目だとはとても思えない。
思いたくもない。
私は真人の背中に顔を埋めた。
真人が死んじゃうなんて、嫌だ。
背中から顔を離して、こちらを向いた真人と目を合わせた。
オッドアイの綺麗な目が、私が何を考えているのか読み取ろうとしている。
ねぇ、触れれば私の気持ちが分かるのに、どうして私に触れないの?
人のこと殺しに行ってるもんね。
それが真人の、呪霊の運命だもんね。
なら、私はどうすればいい?
呪霊として人を殺し続ける彼を見守り続けたらいい?
それとも七海さんと協力して真人を殺す、、?
こんな選択、私にはできない、、。
真人に死んでほしくない。
でも人殺しなんてしてほしくない。
なら私にできることは一つ。
♡&☆please✨
編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。