第12話

6 それは突然に
993
2024/01/30 09:00
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 キーンコーンカーンコーン……
あなた
ま、マジですか………
あなた
こんな可愛いお弁当…食べられないっ…

 ウェンさんのお弁当はまさかのキャラ弁だった、

 なんと……恐竜の。

 ………ウェンさんって私のお母さんでしたっけ?
         〜〜〜〜〜
あなた
あ、リトさんから連絡だ。
🌩🦒
『学校終わったら教えてね〜〜』



(きんに君のスタンプ)


       
あなた
…wwきんに君スタンプはずるいって…w
あなた
『今終わりました』っと……
あなた
リトさん来るまで待ってるかぁ……

 すっかり日も暮れて夕方。


 辺りを見渡すと、帰路につく人で溢れかえる。
あなた
んんー……なんか今日も平和だn……




 キャアアアアアアアアアアアアアアアッ!!!!!!!



あなた
えっ!?なになにっ?!!

 突然、女の人の悲鳴が聞こえた。


 すると向こう側から続々と人が走ってくる。


 みんな……"ナニカ"から逃げるように。
???
どけっ!!!
???
ちょっと押さないでよ!!
???
は、早くにげろぉぉ!!
???
だ、誰かぁ!!助けてくれぇ!

 大人も子供も皆が、緊迫の表情をしている。
あなた
…………………あれ?
 ふと気がつけば私以外の人はいなくなっていた。


 さっきまで人でいっぱいだったのが嘘のよう。
あなた
結局、なんだったんだろう……

 ………キュー………キュキュー……
あなた
え、何これ。
あなた
……二足歩行のネコ???

 私の背後に現れた、白と黒の生物。


 頭からは猫耳っぽいものが生えている。
あなた
でも鳴き声的に違うような……?
 近づいて、よく見てみようと忍び寄る。


 …………私はすっかり油断していたのかもしれない。


 

 ネコだと思っていた生物は私が目の前に来ると、


 パカァ…と大きく口を開けたのだった。


 肉食動物が小動物を捕食するように。
あなた
え………
???
あぶないっ!!!!!!!!!




  バクン……










🌩🦒
お嬢さん、大丈夫か!!?


あなた
………え…リト…さん…?!

 食べられる……!


 そう思ったあとにやって来た浮遊感。


 目を開ければ、朝も見た顔が私を抱きかかえていた。
🌩🦒
え……あなたちゃんっ!?!!?

 向こう側も私に気づいてなかったようで、


 目を大きく見開いて、驚いているのが伝わった。
🌩🦒
と、とにかく!ここで大人しくして
てね?!

     「すぐに終わらせてくるから」


 マスクで顔は覆われていたけど、


 にっこりの笑顔でリトさんは走っていく。
あなた
……なんか…いつもと様子が違うような……






 …………ドゴォォォォン…!!!


あなた
!!!今度は何?!

 再度、"落雷"のような爆音が響く。


 しかも……先程ある人が走っていった方から。
あなた
……!リトさんが…!!
 リトさんに何かあったかもしれない……!


 そう感じ、居ても立っても居られなくなった。
あなた
………行かなきゃ

 私は決して速くはない脚で走り出した。


 記憶を辿り、リトさんを探す。


 学校の門まで来たが姿は見当たらない。




 もう少し置くまで行くと、黄色のパーカーが見えた。
あなた
!リトさんっ!!!
あなた
大丈夫です……か……

 そこに居たのは___酷く傷を負ったリトさんだった。


 顔は血で汚れ、節々はボロボロになっている。
🌩🦒
…あー……あなたちゃん。
あなた
ちょっ…大人しくしてないとダメですよっ
🌩🦒
あー……大丈夫、かすり傷だから。
あなた
………………

 大丈夫だって、と私をなだめるリトさんは


 全く平気そうには見えなかった。
あなた
リトさん……
あなた
もしかして私に何か隠してませんか。


 不意を突かれたようにリトさんは目を丸くする。
 

 さっき現れた白と黒の生物や、今のリトさんの様子。


 きっと私の知らないところで何かが動き出している、


 そんな感じがするのだ。
あなた
……全部、教えてくれませんか。
あなた
もちろん、嘘は無しで。

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