あっきぃが急に苦しみ始めて、
俺らは少し近くの村で休むことにした。
無理してる顔だなぁ、
怪我した時も、誰かを心配してる時も、
苦しそうに笑う。
みんながあっきぃを心配してる。
ぷりちゃんは、何も言わずに見詰めてる。
まるで、出会った頃の様に、黙っている。
いや、それはずっとか。
みんなは、焦っている。
もしかして、奇病が、、
苦し紛れに微笑むあっきぃ。
その顔をするとみんな、悲しそうな表情を見せる。
あっきぃまで命の危険にさらされていたら、、
早く奇病を治さないといけない。
俺らはあっきぃを心配しながらも早歩きで、
近くの村に入った。
あっきぃが、苦しみ始めた。
首を押さえて、息ができないように。
村で部屋を借りて、みんなで部屋に入る。
ぷりちゃんはあっきぃを呼んで、
部屋を出ようとする。
あっきぃとぷりちゃんは
2人で部屋を出ていってしまった。
僕は、特殊奇病児。
一般奇病児、って嘘ついてきて、
一般奇病児だからこそ命は関係ないと思っていた。
やっぱり、この仲間は最高だ。
僕らは誰一人欠けない。
欠けないでみんなで生き残っていくんだ。
ころんさんの為にも、
偉大なるマスターの為にも、
僕自身の心の為にも。
俺らは、無言のまま村の道を歩く。
始めて村になんて来たけど、
旅人として俺らを優しく匿ってくれた。
村には俺らより小さい子供が遊んでたり、
動物を飼育してたり、至って幸せそうな村。
ぷりちゃんはずっと前を向いて歩いていく。
そして俺の呼びかけに答えるように、止まった。
正直、なんて言えば良いか分からなかった。
俺は、俺は、今自分の命の危険が
迫ってる事に実感できてない。
段々と、俺の目には涙が溜まる。
溢れないようにしていたら、
前が見えなくなった。
ふと、体が暖かくなる。
ぷりちゃんは、俺を優しく抱きしめてくれた。
その衝撃で、涙が零れ落ちた。
ぷりちゃんは、俺を抱きしめたまま、
しっかりとした声で言ってくれた。
暖かいなぁ。
次話 「 特別な医者。 」
編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。