第5話

赤色をなくした紫色の話 #1
1,056
2023/07/28 11:00





数日ぶりの部屋を出た


リビングの扉を開いた


そこには


大好きな彼が姿あった





スマイル
ぶるーく.....?!



夢かと思い目を擦った


ほっぺをつねった


でも確かに彼がいた


確かにソファーに座っていた


俺の行為に彼はくすっと笑った


ずっと見たかったあの笑顔だった




スマイル
ぶるーく、なんで?
ぶ、ぶるーくだよね?おれ、おれ....



彼は笑いながら


「何言ってんのスマさんw僕だよ〜w」


と言った


脳が追いつかなかった


頭で理解するより先に体が動いた


ぶるーくの方へ行った


目の前にたった


今すぐにでも抱きしめたかった


が、怖かった


だって彼はもういないはずなのだ



スマイル
なんで、いんの?なんでここに....
本当のぶるーくだよね?



「んー、半分僕かな?w」


そう言った彼は俺の方に手を伸ばした


ふわりと頬を撫でた


気がした__




スマイル
ぶ、る....く.....




彼の手は俺を貫通した


ぶるーくは申し訳なさそうの笑った


また涙が零れた


「すまさん、泣かないでよ〜」


涙を拭うように透けてしまう手が頬を触れた


俺はその手に自分の手を重ねた


もちろんそこはただの空気だったが


心做しか暖かかった


沢山言いたいことも聞きたいこともあるのに


感情が混ざって混ざって混ざって


ただ泣いていた





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