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第13話

二人の影/氷黒
281
2023/08/09 02:45
黒名_
あてんしょんぷりーず
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー✿ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

ご案内というか、ご注意

⚠①この作品は24巻までのネタバレを含んでいます

  …とにかく24巻見てない子はネタバレ喰らいます。

  それでもいいよという鋼のメンタルをお持ちの方は
  
  ここを進むべし。

⚠②エセ関西弁です、文がきっしょいです

  そんなの気にしないという心優しい方は
  
  ここを進むべし。

⚠③「捏造注意!!」

  文字が多く並べられてる時があります 

  集合体恐怖症の方は逃げてぇぇぇぇぇぇぇぇえええ












氷織_
……全然寝られへん
ドイツ棟の四人室、周りが寝静まっているのを確認して
氷織羊はボソリと呟いた。

それからさっきまで眠っていた脳を
いきなり叩き起こして無理やり起き上がった。
部屋は真っ暗で見慣れた黒で少し安心した。
ゆっくり忍び足で廊下にでると
不気味なぐらい周囲は暗かった。
明かりはなく、ブルーロック全体、建物自体が
眠っているように感じられた。
いかにも怠そうな足取りで氷織はモニタールームに入った
モニターで何かを見ようとしているわけではなく
あの四人部屋に寝れない人が動いていたら
3人に迷惑がかかってしまうと彼なりの配慮だった

ただ体育座りの姿勢で座って
そのままボッーっとモニタールームの
部屋の角を薄ら眺める。
氷織_
………もし僕がここで死んだら
地縛霊としてずっと此処に居られるんかな
此処は楽しい。

ブルーロックは、
僕が両親から離れるための避難場所のようなもん。
潔くんが居て、黒名くんがいて、雪宮くんがいて、、、
此処に居る皆が僕を人として見てくれる。

なら僕にとって両親は何なのだろう。

優しい人達?いつでも応援してくれる人達?
それとも、僕を僕として見てくれない人達?
僕を才能スペックとしてしか見てくれない人達ーーーーー。

ああ…

痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い
痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い
痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い
痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い
痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い
痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い
痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い
痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い
痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い
痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い
痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い
痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い
氷織_
……痛いわ
考えただけでもおぞましい。

呼吸が荒くなっていく、自分の全てが忌々しい。
そんな事を考えているといつの間にか
見慣れた朱色がモニタールームのドアから覗いていた
黒名_
氷織、大丈夫そうか?
黒名がいた事に気づかなかった氷織は
急いで微笑む顔を作った。
きょとんとしながらも此方を見つめている黒名は
モニタールームに入り、氷織の隣に体育座りで座った。
何処から見られてたんや、そう思いながら
口にできずに言葉を詰まらせる氷織。
氷織_
居たのなら声かけてくれはっても
良かったのになぁ?
氷織_
黒名くんも眠れないん?実は僕もー
氷織が言葉を選びつつも発した言葉を
ものの見事に黒名はスルーした。
氷織_
えっと…
黒名_
なあ、氷織
ようやく口を開いた黒名は
少し言うのをためらいながらも氷織に喋りかけた。
黒名_
氷織何処か痛いのか?



氷織_
……え?
大丈夫なのか?大丈夫なのか?と心配する黒名を他所に
氷織は予定外のことを口にした黒名を
くすりと笑ってしまった。
氷織_
ふふふ…黒名くんっ…ふふ…
黒名_
な、なんか笑われた…ショックショック
こちら側を心配してくれる優しい黒名を
氷織は虚ろな目をして目止める。
氷織_
優しいんやね、黒名くんは
黒名_
……そ、そうだ、おまじないかける
氷織_
ん?おまじないって?
突然のおまじないと言い出す黒名に
氷織はきょとんとしながらも、
黒名が必死そうにしているので微笑ましくなっている。
氷織の痛いであろう心臓の部分に向けて手を開き
何かをお願いするように目をぎゅっと閉じる

その姿はまるで子供のようだと思った
黒名_
痛いの痛いの飛んでけえー
黒名_
・・・。
氷織_
・・・。
黒名_
すまん、失敗失敗…
氷織_
だ…大成功やで!
全然痛いのなくなったで!!
そうか?と嬉しそうな黒名と
そんな黒名を見て幸せそうにする氷織

僕を心配してくれる人がいる。
そう思えただけで氷織の心は温まった。
モニタールームには、二人の影だけがあった。

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