彼の放つオーラに物怖じすることなく話しているあなた 。
雛を巣立たせた親鳥とはこのような気持がするのだろうか 。
良い詩が書けそうだ 。
到底取ることの出来なさそうな上 。
脚立も梯子も無い 。
どうやってあの場所に仕舞ったんだろう ?
「 お陰で読もうと思っても読めないんだ 」 と不満げに呟かれた 。
此処に嘗て誰かが居たのか 、 其れは定かではない 。
僕は 、 其れを知ろうとも思えない 。
「 お洒落も日の光も興味無いんだ 」 と続けて言われる 。
揺り椅子の後ろのステンドグラスから差し込む光が床を鮮やかに染めていた 。
確かに日の光は必要無さそうだ 。
とそこまで考えてやめた 。
彼女の意思に深入りすることほど判らない事は無いとこの数週間で知った 。
僕に彼女は判らない 。
扉を開いて廊下に出る 。
振り返ると 、 僕達が出てきた筈のドアは消えていた 。
編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。