第102話

大人らしく(3)
1,432
2023/12/29 06:33
西條と中原は指定時間迄
とある場所の近くで何も考えずにただフラフラと歩いていた
この時の平和な時間が好きだ


この時は役職も、使命も、何も考えなくてもいい
あなた
(ずっとこの時が続けば良いのに)
だが幸せな時間ほど直ぐに壊れることを西條は苦しいほど痛感していた
前世のこと、織田作之助の死、太宰の裏切り、いきなり現れた後輩も自分から離れた
あなた
(だから私は…)
何も望んではいけない
あなた
っと
路地裏を歩いていると背後から殺気を感じられたので直ぐさましゃがむ
そのタイミングで中原が背後に居た者をに蹴りを繰り出す
,
ぐあっ!
あなた
ライブラ
術式を使うと
“ターゲット”である男は地面にめり込み潰れた
中原
…あなたの下の名前さん…
中原
俺のアイデンティティ奪わないでくれよ…
あなた
これも私の能力だから仕方ないね、笑
“重力使い”と呼ばれている男にとって
西條の重力操作はアイデンティティを強奪…いやモロかぶりしているのだ
立原
…俺たちっている意味ある…?
広津
考えるな
((コクッ
梶井
私の実験体が…
あなた
貴方は何で勿体ないみたいな顔してるのよ…
中原
あれが梶井だ
中原
諦めろ
清々しいほどの笑顔で言われる男…
あなた
(そんなにヤバいやつなのね…)
目の前の死体の目の前で喋る
何事も無かったかのように…人を殺しても尚何も感じない
あなた
矢張り私にはここが向いてるようだ
中原
どうしたいきなり
あなた
なんでもないよ

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