*°過去の話*°
わたしたちの過ちは、
あの日カラダを重ねたこと。
サリナを欺き続け、カラダを重ね続けたこと。
キスマークは、
カナタのカラダにはついていなかった。
その話は、
サリナの嘘だった。
わたしとカナタの浮気の証拠を
掴むため、
カマをかけたのだ。
浮気相手はわたしで、
わたしがカナタを好きなんだろう。
ということを
見抜いていた。
いつもこっそり待ち合わせしてた
公園。
声を荒らげて彼を責めたてている私に
届いたメール。
彼女は、全部知っている。
そのメールをみたわたしたちは
何もできず
立ち尽くすしかなかった。
そしてーーー。
それから間もなくして、
サリナは学校へ
来なくなり、
どこかへ消えたーーー。
編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!