------Syori Side----
あなたの結婚式の後。
二次会に行って、お酒を飲んだ。
みんなが帰り始めて、俺も帰ろうと思った。
けど、その前に。
目の前にいる飲んだっくれを起こすか。
話しかけているのに、
美穂はちっとも起きる気配がない。
2人を見送って、俺は美穂の所に戻った。
それから、段々とみんなが帰っていって。
ついに、2人きりになってしまった。
それに、そろそろ電車も無くなるし。
美穂は真面目な顔をして話を続けた。
美穂はいつも自分の事なんて話してこなかったから。
そんな事、全く知らなかった。
美穂はそう言って笑った。
今まで、こんな近くにいたのに。
そんな顔一つ見せないで。
なんか一瞬で持ってかれた。
そう言って、俺は美穂を家まで送ることになった。
なんだかんだで、こういう行動も初かもしれない。
いつも、俺はあなたと帰って、
途中から美穂は1人だった。
いつもとは違う空気が二人の間で流れた。
いつもは、3人で。ここの間にあなたが居て。
2人の時は、大体のあなたの話をしてた。
全部、全部。美穂を傷つけてたのかと思うと。
なんとも言えない気分になる。
俺がこうなるって分かってたから、
気を使って生活が変わるって分かってたから
美穂は黙ってたんだろうな。
そんな話をして。
僕達は家に帰った。
編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。