第12話

🐼
3,288
2023/12/18 10:33


猫猫
…どうしますか?
猫猫
起こします?
壬氏
む……


果たして我々が首を突っ込んでいいものなのだろうか。



スヤスヤと眠り続ける、人間かもわからない少年を見下ろす。



そう頭を悩ませていると、











女の子
ヒタチくん、そんなとこで寝ちゃ駄目なんだよー?


少女が、彼の頬をバシバシ叩いた。





壬氏
あっ、おいそんなに叩いたら…





案の定、少年は背もたれにしていた壁からズルッと滑って崩れ落ちた。







あなた
『痛ッ……?』
あなた
『なに。朝飯なら俺今日当番じゃな…』












顔を顰めて起き上がった少年と私の目が合った。














あなた
『え。可愛い…』













猫猫
あの…
あなた
『いや待てよ誰だこの人達?!』




酷く驚いたように後ずさられる。


なんて言っているのかわからないが、混乱しているようだ。







猫猫
こちらの言葉、わかりますか?
あなた
是的はい
あなた
あの、誰…?
壬氏
誰も何も…
壬氏
さっき患者の運搬を手伝っただろう?
あなた
…?ごめん
寝起き、記憶、少ない
壬氏
あんなに私達を放り出しておいてか?
壬氏
呆れた奴だ…




先ほどの冷たい視線が嘘のようだ。



今は年相応の普通の人間に見える。



これなら、多少は話ができるのでは……?



壬氏様を見ると、コクリと頷かれた。よし……。























猫猫
この薬はどのような効能があるのですか?!
猫猫
あ、あと此方の物はなんという名の器具なのでしょうか?!







静かに壬氏様からの拳骨を食らった。

プリ小説オーディオドラマ